中学受験は、子どもたちにとって初めて自分で勉強して準備するものですから、子どもたちの努力の水準がきわめてあいまいで、また親が考えるものと大きくかけ離れる可能性があります。
親としては、このくらいやって当たり前だろうと思うことが、子どもには途方もないことに見える。
また親がまだまだ、と思っていても、子どもたちにとっては一杯一杯の努力だったりするものです。
親は自分の受験経験から照らして、このくらいがんばらないと受からないという思いがあります。しかし、子どもたちにそれはありません。ですから、すれ違いがおこる。
親は子どもの勉強の姿を見て、腹をたて、子どもたちは理解のない親だと嘆く、まあ、こういう図式がどの家庭でも見られるのではないでしょうか。
したがって、親と子がよくコミュニケーションをとらなければいけません。親としては、このくらいやって、当然だ、と思うことがどうして、そうなのかも説明してあげる必要があり、子どもたちもそれがなぜ無理なのか、説明する機会がないと、子どもたちはただ「やらされる勉強」に終始してしまうことになります。
「やらされる勉強」は決して効果をあげません。「終わればいい」「答えればいい」ということになって、本当に必要な「理解する」という目標からかけ離れてくるからです。
成績が上がらなかったり、親としてこの先に不安を感じたら、まず子どもたちとよくコミュニケーションをとることだと思います。ただし、一方的にいろいろと押し付けるのは絶対にだめです。あくまでコミュニケーションですから、子どもたちの話もよく聞いてあげ、そのことから子どもたちのモチベーションを上げる工夫をぜひしていただきたいなと思います。