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ワーキングマザーのお子さんを見ていると、精神年齢について2つの方向性が出てくるように思うのです。
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ひとつは、立派に自立をしていく子。
お父さんもお母さんも忙しい。小さな弟や妹もいる。だから、お兄ちゃんとして、お姉ちゃんとして、面倒をみながら、自分の勉強もしっかりやる。
うーん、理想ではありますが、数は少ない。
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で、もうひとつはとても幼くなる子。
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これは、やはりお母さんがどうしても甘い。お母さんが働いているということが、どうしても子どもに対して引け目になる。だから、子どもに対して甘くなる。甘くなると、子どもたちはがまんしなくていい。がまんはいつもしているんだから、と子どもの方も甘え方が強くなる。
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そういう子と話していて
「でも、ママ、やさしいでしょう?」
というと、
「とーんでもない」
という話になる。これはお母さんが言葉できびしいからでしょうが、でも実際には見ていて甘いと思うことはあるのです。
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中学受験で、幼い子の成績が伸びないのは、じつは「がまんができない」という点にあります。
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受験勉強というのは、がまんをしなければいけない。
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見たいテレビをがまんする。友だちと遊ぶのをがまんする。そうやって勉強しなければいけないわけで、幼い子はそのがまんができない。で、親が見ていないところで、遊んでしまう。
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で、問題はどうするか。
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私は日ごろからワーキングマザーのみなさんに「働いていることについて、子どもに引け目を感じてはいけない」とお話しています。家庭の事情はいろいろ。しかし、その中で親は一生懸命子どもを育てているわけで、それは事情に合わせてやればいいこと。引け目を感じると、子どもにどうしても甘くなる。だから、幼くしてしまうのです。
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日ごろからどんどん家事も手伝ってもらう。そして、本人がやらなければいけないことに対して、ぜったいに引かない。この態度が大事です。
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言葉はきびしい必要はない。でも態度は厳しくなければいけない。1日の課題が終わらなければ、それはいくら眠かろうと、本人が悪い。だから最後までやらせるという必要があります。(これは、当然、本人が手を抜いた場合ですね。一生懸命やっても終わらないというのは計画が悪いので、これにはあてはまりません。)
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お母さんだって、忙しいのに帰ってきてご飯の支度をしたり、家族の世話をするでしょう。それと同じことを子どもに要求して問題はないのです。うちはうち、の事情でかまわないのではないでしょうか。
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言葉でやさしく、態度できびしく。
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ぜひ実行してください。