「絶対に受かる」といいつづけた子

 学力をつけるとか、ていねいにじっくり考えられるようにするとか、そういう過程の最後として、入学試験はやはり「勝負ごと」だと私は思います。
 ただし、他人と勝負をするのではなく、「合格点をとる」という戦いなのです。

 いまはそんな塾はないと思いますが、昔は「いいか、試験が終わったら『できた、簡単だった』と騒げ。そうすれば周りの子どもは動揺する」みたいな指示を出した塾がありましたっけ。そんな器の小さな勝負ではなくて、自分のもっているありったけの力を出し切る、という勝負ごとだと思うのです。
 その結果は必ず○か×です。模擬試験は50%の合格可能性とかいっていますが、本番はどちらかしかない。がんばった以上は何とか○にしたい。だからありったけの力を出し切ってもらいたいと思うのです。
 そのためには強いプラスイメージが必要になります。
 どんなに成績が悪くても、「絶対に受かる」といいつづけていた子がいます。ただこういうタイプには二つあって、一生懸命勉強していた子とそうでない子。そうでない子は合格しません。いわゆる、口ばっかり。しかし我々から見ても確かにしっかり勉強するようになってきた子はその通り、合格していきました。
 強いプラスイメージがあるからこそ、自分のしたいことのために、真一文字に進めることができるのでしょう。
 受験勉強のスタートはやらされる勉強ですが、ここでは自分のしたいことのために勉強していますから、気合は入りやすいのです。
 お母さんは不足していることを数えるのではなく、できるようになったことを数えてみてください。1年前、2年前にくらべてどうですか? 見ていてください。

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