第2回 中学受験か高校受験か

■公立高校の勢いが復活してきました。

■1975年当時、日比谷高校が東大に一番入る高校でした。しかし、美濃部都政でその日比谷高校をはじめとする都立高校の学区制導入で、その後これまでの間、東大は私立高校からの入学者が多くなっています。ベスト10はほぼ私立一貫高校で占められているでしょう。しかし、石原都政後、都立復活をめざして学区が廃止され、独自入試を展開し、また日比谷だけではなく多くの公立高校の大学受験の体制が整い、実績を上げ始めています。

■これまでは、少なくとも東京、神奈川では私立一貫校に行かないと上位大学の合格は難しい、とされていたものが少しずつ変わりかけています。

■そうなると、高校受験も悪くないかもしれない、と思われる方が増えているでしょう。またそれ以外にも選択肢があります。それが公立の中高一貫校。東京ばかりでなく千葉でもトップ校が中高一貫になっているので、これも考えると、私立ばかりを狙うべきではないと考えられるでしょう。私はその通りだと思います。

■つまり、公立高校でも、公立中高一貫でも、私立でも、選択肢が増えたわけだから、いったい何を選ぶべきなのか、ご家庭がしっかり決めて行けばいいのです。

■公立高校の大学受験の実績は私立のそれに比べるとまだまだです。しかし、それは6年前の状態を考えてみれば当たり前でしょう。6年前は中学受験をしないと厳しい、と思われた時代ですし、当然のことながら中学受験が過熱していました。

■では6年後はどうなのか?これはまた事情が変わってくるでしょう。メインの受験は私立受験であることはまだ間違いないでしょうが、子どもの成績や状況を見て、これは早いと思ったら、もう一度考えてみるのも良いのです。特にこれから中学受験を始めるという3年生のお父さん、お母さんはこのことを頭の中に入れておかれると良いでしょう。

■ちなみに全国的なレベルで言えば、まだまだ中学受験はメインではありません。やはり高校受験がメイン。しかもそれほど私立は多くないので、公立高校の受験が中心なのです。首都圏でもまた公立高校の大学受験実績が伸びていくでしょう。したがって、私立を受けなければならない、ということはないのです。


6年算数頻出問題精選ノート(田中貴)
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