新6年生は図形の問題を考える機会がこれから、増えてくると思います。
今年も各中学で図形の問題はたくさん、出題されました。最近の図形問題は、相似を利用したり、図形を組み合わせたり、なかなか難しい問題が増えました。
図形の問題を考える上で、案外見過ごされているなと思うのが、「自分で図を書く」という力です。
例えば立体の切断面はどこを通るのか、というような問題は単に問題に書かれている図だけではなかなか解けない。自分で違う図を書いて検討する必要があるでしょう。
ところが、最近はテキストやプリントで図が描かれているので、例えば先生の書いた黒板の図を写すという作業が以前に比べて減っています。その結果として自分で図を書く力がなかなか発達してこない。
ノートをとらなくても、プリントの解説さえあれば、大丈夫、という考え方は危険です。
つまり、子どもが自分で図を書く機会を失わせてしまう。
自分で書けるようになるのには、まずは何かを真似て書く練習をする必要があるわけで、だから塾の授業で先生の板書を写す手間は大事なステップなのです。
しかし、最初のうちは、図を書くのに時間がかかるでしょう。横で見ているとイライラするかもしれませんね。
でも、その時間をかけるからこそ、できるようになる。
4年生の算数の授業で、私は良く子どもたちに立方体の図を書かせていました。空間の基礎を学ぶためですが、しかし、本来この辺とこの辺は平行にならなければいけないのに、子どもたちの図はとんでもない方向に飛んで行き、できあがった立方体はつぶれたり、ゆがんだりします。
つぶれたりゆがんだりする、ということは正確に考えられなくなるわけで、だから最初に書けるようにすることは大事なことです。
実際に「立方体」の書き方を教えます。
この線とこの線は平行にして・・・、いくつかのステップを忠実に再現すれば、きれいな立方体が書けるようになるでしょう。こういう積み重ねこそ、4年生のときにやるべきことなのです。
今は、そういうことに時間をかけられるときですから、かけてください。
そして自分で図がかけるようになったら、ほめてあげてほしいと思います。この力が難しい図形の問題を解く最初の一歩なのですから。
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