電気の問題というと、まずは豆電球というのが、これまでの通例でしたが、最近発光ダイオードの問題が出てくるようになりました。
発光ダイオードは、単方向に電圧を加えた際に発光する半導体素子のことでLEDとも呼ばれます。消費電力が少ないこと、耐久性があることなどが評価されてきて、1つあたりの値段は高いものの白熱電球にとって代わってきています。
では何がポイントなのかというと、発光ダイオードはひとつの方向にしか電気が流れないのです。この特質を使って、豆電球と合わせて出題する、という形が増えてきています。
今年の慶應中等部の問題をご紹介しておきましょう。
発光ダイオードは、通称LEDといい、半導体の一種で、一方の向きにだけ電流を通して光ります。
この発光ダイオードと豆電球を使って次のような実験結果を得ました。これを読んで後の問いに答えなさい。
〔実験1〕図1のように性能の同じ豆電球A、Bを電池に直列につなぐと同じ明るさで光った。また、これらの明るさは、図2のように豆電球Bと性能の異なる豆電球Cを並列につないだときの豆電球Cの明るさと等しかった。
〔実験2〕同じ性能の発光ダイオードD、E、Fを用意して、それぞれの発光ダイオードから出ている2本の針金のうちの長い方をア、短い方をイとして、図3のように発光ダイオードD、Eを豆電球A、Bとともに電池につなぐとAとDは光り、BとEは光らなかった。
(1)実験1のとき、図1の豆電球Aと図2の豆電球Bの明るさの関係について、正しいものを次の中から選びなさい。
1 AはBより明るい 2 AはBより暗い 3 AとBの明るさは等しい
(2)図1の豆電球Bの代わりに豆電球Cを使って豆電球Aと直列につないだとき、豆電球AとCの明るさの関係はどうなりますか。次の中から選びなさい。
1 AはCより明るい 2 AはCより暗い 3 AとCの明るさは等しい
(3)図4と図5のように豆電球とLEDを電池につないだとき、それぞれいくつが光りますか。その数を書きなさい。
(解説と解答)
図1でAとBは同じ豆電球ですから、ひとつの抵抗を【1】とすると直列では【2】になるので流れる電流は(0.5)
でこれが図2のCと同じ明るさだったということはCの抵抗は【2】であることがわかります。
(1)は図2が並列であることから同じBであればAの方が暗くなります。
(2)AとCを直列につなげば同じ電流が流れます。同じ電流が流れる時は、抵抗が大きい方が明るいので、Cの方が明るくなります。
(3)図3の例からア→イが電気が流れ、イ→アは電気が流れないということがわかります。図4ではDが流れないので、全体に電気が流れません。したがって
図5ではEだけが電気が流れますがBEAが直列で流れるので、3つ光ることになります。
したがって答えは
(1) 2 (2) 2 (3) 図4 0 図5 3
電気の問題としては簡単な方だと思いますが、発光ダイオードはこれからも出題されるでしょう。注意しておきたい範囲です。
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