コーチングの課題(3)

夏休みの計画を立てる上でも、今後の戦略を立てる上でも、現状の子どもの力が実際にどのくらいなのかを考えてみる必要があります。

ただ、それは偏差値がいくつとか、合格可能性がどのくらいといった数値で判断するのではなく、何がどのくらいできるのかという視点で考えていかなければなりません。

例えば数の性質に関しては
(1)基本的な公式は理解している。
(2)基本問題は解ける。
(3)応用問題まで解ける。

の3つの段階があるでしょう。(1)はクリアしていて、(2)があやしいとなれば、それをどう理解させていくのか、練習するプランニングを考えていくわけです。

ところが中学受験の範囲は広いわけですから、現状ではいろいろな課題が山積しているでしょう。しかし、まずは全部の範囲がどうであるのか、チェックしていきましょう。これは子どもたちの話も聞かなければなりませんが、基本的にはこれまでのテストを見てみれば大方の傾向はわかるはずです。そのためにカリキュラムが組まれ、カリキュラムテストの結果がデータとして渡されているわけですから、それを分析してみてください。

私がよくアドバイスする方法としてグラフをつけてみる方法があります。
横軸に範囲、縦軸に科目別偏差値もしくは正答率をつけてみると、どの範囲が具体的にだめなのかがわかるでしょう。

あとは具体的にいつ、どのような練習をしてそれを補うかを考えるわけですが、ただし、すべてに手をつけることは難しいかもしれません。

むしろもっと、やる内容を絞り込んでいかないと、効率よい練習はのぞめないでしょう。私は第一志望を決めて、その頻出する内容から優先順位を決めていく方法が一番合理的だと考えています。

また半年という残された時間の中でいつ何をやるかという計画も重要でしょう。例えば夏休みに全ての課題が解消されることはありえません。

ですから、いつまでに、何を改善するのかということを具体的にスケジューリングする必要があるわけです。

私は知識の暗記や、得点力をつけるための訓練は後半に、頻出する範囲の基本を確認したり、記述の練習をするのは前半からというように、勉強の内容を振り分けていつスケジュールするか考えていくべきだと思っています。

そしてその計画や戦略は子どもたちと共有していくと良いのです。

この練習は何のためにするのか、その目的を知っているほうが子どもたちにとってもやりがいがでてくるでしょう。そういうコミュニケーションがコーチングの中で最も大事なステップのひとつだと思います。

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