第13回  競争率 

 

■中学受験レポートを書いていて、ずいぶん実質倍率が下がったなと驚きました。やはり少子化は進んでいます。今から10年前では御三家の平均競争率は3倍前後でした。しかし、今年は桜蔭が1.9倍になりましたし、麻布、武蔵とも2.2倍。やはり3割くらいはやさしくなったと考えた方が良いのでしょう。

■今年4月に中学に進んだ学年は平成元年生まれの子どもたちで、大喪の礼で結婚式が自粛された年代ですから、全体で124万人と、その前の学年の130万人より下がっています。ところが、そのあと、回復しないのです。この次の学年は121万人で今の3年生で120万人を切ります。
■一方、受験率は右肩上がりで増えています。130万人のうち、私立中学に通うのは7万人。5%強になりますが、首都圏では今年13.5%になりました。首都圏に私立中学が集中しているため、高くなるのは当然ですが、1999年から4年続けて上昇しているのは、やはり指導要領の改定、完全5日制に対する不安からでしょうか。
■来年は、人口減少が少なく、受験率が14%に達すると競争率は多少あがってくるでしょう。しかし、この数字や合格偏差値にあまり左右されてはいけません。やはりいきたい学校を狙うというのがまず肝要であって、こちらの方が倍率が低いからと直前で学校を変えたりしてはいけないのです。
■行きたい学校を決めるのに、文化祭を見たり、入試説明会を聞いたり、これから情報を集めていく時期になりました。ただし、子どもに合う学校を選ぶということに目的があり、倍率や偏差値ばかりに目が行って相性を考えないと、入学後にいろいろな問題がおこりますから、気をつけてください。

(平成14年5月12日)

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