第2回なぜ塾に行くの?

■まもなく、入学試験が行われます。5年生以下のみなさんは時間があったらその日、見学に行ってみてもいいかもしれません。入学試験は、多くの場合、算数、国語、理科、社会の4教科の試験で行われます。学校によっては算数と国語の場合もありますが、4教科の学校の方が増加していますので、準備は4教科で進めていった方が良いでしょう。

■では、そのレベルはどのくらいのものでしょうか。出題範囲はみなさんが小学校で勉強している範囲なのですが、レベルはかなり難しくなります。例えば算数は、範囲によっては中学校で勉強するレベルまでふくまれています。なぜ、こんなに難しいのでしょうか。実際の入学試験の競争率は3倍です。つまり100人合格するところに300人の人が受験します。入りたい人が多いので、試験を難しくしないと、差がつかないのです。

■では、その準備はどこですればよいのでしょうか。学校の勉強だけでは不足するので、進学塾で受験勉強をするのです。保護者の方がみなさんに塾に行くことを勧めたのはそのためです。したがって学校が終わってから週2回とか週3回とか、進学塾に通っている人が多いでしょう。塾で提供している勉強は、中学受験の入試問題を研究して、それができるようにカリキュラムを作っています。したがって、そのカリキュラムにしたがって勉強すればいいのです。

■しかし、塾の勉強だけでは不足します。塾では新しいことを習ったり、いろいろな問題の解き方を教えてくれますが、しかし、それが自分の力にならなければなりません。入学試験で合格するためには、問題ができなければならないからです。そのために、塾でならったことを復習したり、塾の宿題をしたり、あるいは過去の入試問題を解く練習をしたり、いろいろ自分でやらなければいけないことがあります。

■しかし、、学校によっては宿題も出るだろうし、それ以外にやらなければならないことがあるでしょう。塾に行き始めると、学校の勉強と塾の勉強と2種類の勉強をしなければならないことになります。それ以外に、習い事があったり、クラブがあったり、だいぶ忙しいことになりそうですね。

■ですから塾に行かないで、家だけで勉強する方法もあります。これはテスト会に参加する方法です。こういうテスト会では、テキストを用意してくれますから、そのテキストを毎週自分で勉強して、その結果を試すためにテストを受けるのです。この方法を塾に行きながら、いっしょにやる方法もあります。テストのカリキュラムを塾で学び、その塾でテスト会のテストを受ける方法です。

■だから、中学を受けるにあたって、いろいろな方法があります。ただ、どの方法がいいかは、保護者の方とみなさんがよく相談してみてください。例えばサッカーをやっている人は、サッカーの練習日と重ならないようにスケジュールを組みたいでしょうし、もしかすると近くに中学受験の塾がない場合もあるかもしれません。その場合は通信のテスト会という方法もあります。ただ、どんな方法にしろ、みなさんがやってやろうと思わなければなりません。

■どうして塾に来たの?と聞くと、「お母さんに行けといわれたから」という理由が圧倒的に多いです。しかし、塾は中学受験をするために、勉強しに行くところです。ですから、自分で一生懸命勉強しようと思って通わなければなりません。もし、その気持ちがないのなら、かえって塾は大変になるでしょう。ですから、中学を受けようと決めたら、それなりにやらなければならないことが増えるのだと覚悟してください。ただ、それだけがんばればきっと、みなさんのためになることがたくさん出てくるでしょう。がんばった人には、がんばった分だけ楽しいことが起こるものなのです。

(平成17年1月11日)

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