第14回 自分を変えることができるのは自分だけ

■今日中学生と話をしていました。彼はここのところ英語の成績が悪くなっているのです。悪くなっている理由は簡単。勉強をしていない。英語は語学ですから、毎日話したり読んだりする環境にいれば、だれでもできるようになります。ただ、日本ではある一定の努力をしない限り、毎日英語を読んだり、書いたりすることはできないのです。

■「英語がきらいな理由はよくわかるよ。覚えるのが面倒だってことだろう?」「はい」「単語覚えていないんだよね。」「文法はわかります。でも単語はだめです。覚えられない」「っていうか、そんなに時間かけてないだろう」「ええ、まあ」

■彼は私立中学に入りました。そこで運動クラブもやっているし、他の教科の勉強もあります。その隙間をぬって塾にも来ているのですが、今日も単語を覚えていないと先生にしかられていたのです。そこで、私の席に呼ばれたわけですね。

■「でもねえ、結局覚えるのは、君なんだよね。」「担当の先生でも、僕でも、君のお母さんでもなくて、君なんだよ。先生もお母さんも僕も、君のことは心配してるさ。だけど心配してるだけ。だって、君の代わりに勉強できないからねえ。」「ああ、はい」「だから、覚えるのは君だからね。君がやらないと何もかわらないわけだ。」

■「いや、やろうとは思ってるんです。」「そう、そりゃあ、誰でも勉強はしなくちゃとは思うんだ。だけどなかなか実行できない。だから大変なんだけどね。でもねえ、やっぱり自分を変えることができるのは君だけなんだなあ。そこ、わかるかなあ。」

■「ああ、はい、わかります。」「そう、それならいいけどね。ひとつヒントをいおうか。外人は毎日英語を読んで、英語を書いて、英語をしゃべるからできるようになるのは簡単なんだ。でもね、君は日本人だしね。日本に住んでるからね、英語知らなくても一応生きていけるんだよ。だから毎日触れる努力をしなきゃいけないんだ。だからね、手帳でもノートでもいいから、単語を書いてね、暇があったら見るんだよ。書くんだよ。そういう積み重ねしか単語は覚えられないからね。」

■「でもわすれちゃいます。」「そうさ、僕だってすぐ忘れる。だからまた覚えなおすんだ。その繰り返しだよ。でもね、人間は忘れるからねえ。忘れるからまたやるしかないんだなあ。でも、君がやるしかないんだな。」「あ、はい、やってみます。」

■自分を変えることができるのは自分だけ、ってみなさん、気がついています?

(平成17年4月12日)

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