■1年間続いたこの講座も最終回になりました。間もなく入試の人もあれば、すでに終わってしまった人もいるでしょう。しかし、今年の4月になれば、いずれにしても全員が中学校へ進学します。
■さて、中学校に行って何をします?勉強、部活、遊び、いろいろあるとは思いますが、ぜひひとつ、みなさんにやってほしいことがあります。それは「大志をいだいて」ほしいのです。
■人間は何かをやるためにこの世に生まれてきています。ただ、すべてのことをやるわけにはいきません。どんなに優秀な人でも、そうたくさんのことができるわけではありません。しかし、逆に一人ひとりの人がそれぞれの役割を果たすことによって、社会は幸福になっていくことができます。ですからこれからは自分が何をするのか、考えていかなければいけないのですが、そのとき、ぜひ大志を持ってほしいのです。
■例えば、お金持ちになって、家族を持って、楽しく暮らしていこう、大いに結構です。でももう少し大きく考えて、なるべく多くの人を幸せにできるようなことをしようと思ってほしいのです。例えば、今、アフリカには飢餓で苦しむ多くの子どもたちがいますが、この子どもたちを救うためにできることがないか、考えてほしいのです。自分が何をしたいか、これがまず大事です。そして、その結果としてまた多くの人を幸せにできるような方法はないか、これも考えてほしいのです。
■「青年よ、大志をいだけ」といったクラーク先生の言葉には実は続きがあります。「お金や自分の得や、世間が名誉だというがその中身はなにもないことのために大志をいだくのではない。人間としてこうあるべきだというすべてのことを達成しようという大志をいだけ」
(平成18年1月30日)