第9回 通信制高校

■今、全国に通信制高校は140校あるそうです。そしてまだ毎年増えているのですが、このニーズの広がりは不登校の生徒が多いからです。基本的に通新制高校はレポートと年間決まったスクーリングを受けることで高校卒業資格をとる仕組みです。高校はもちろん学校法人として認可されています。

■以前は通信制高校のフォローをする目的でサポート校という塾に入るのが一般的でした。塾に通いながら、レポートの指導をしてもらうのが主な目的ですが、それ以外の能力を身につけるコース(音楽や芸術、パソコンなど)も併設されていました。ですから、高校卒業資格を通信制でとって、あとの時間を大学受験に費やすという仕組みも可能なのです。

■しかし最近は通信制高校自体が規定数以上の通学指導をする場合が増えているそうです。生徒は、来ても、来なくても規定のスクーリング数に達していればよく、その意味では自由な通学が可能になるので、中学でつらい思いをしてきた子どもたちにとってはひとつの救いになっているようです。

■昔は、学校に行かないということは悪いことでした。しかし、学校が荒れ始めて以降、学校にいくことを怖がる普通の生徒が出てきたのです。いじめが多くの原因ですが、先生と合わないというのもよくあります。子どもは成長過程ですから、まだ完全ではありません。自分でコントロールする力が不足していれば、マイナスの気持ちがどんどん広がります。

■そんなときは、学校を変えるのが大事なのです。つらいことを我慢させなければいけないというのは昔の発想。環境を変えてあげることで、解決する問題はたくさんあります。先日も塾の先生と合わず、他の生徒にいじめられるというご相談がありました。私はさっさと塾を変えてしまった方がいいとお話しましたが、実際系列塾に変わられて良かったそうです。

■今、受験を迎えているご家族の中には、私立中学しか見えていらっしゃないと思いますが、世の中には実にたくさんの選択肢があります。もちろん世界にまで目を広げれば、いろいろな場があって、そこで子どもたちの可能性はまた、一段と広がるのです。

■通信制高校は、これからもいろいろな可能性を追求してくるでしょう。インターネットを使った学習もそうですし、生徒の可能性を伸ばすために、芸能や映像などのコースも増えてくると思います。まずは生徒が楽しい、おもしろい、好きだということを見つけて、そこからいろいろな可能性を探るのが大事です。通信制高校は新しい学校が多い分、新しい試みをしてくれるのではないかと期待しています。

(平成16年9月18日)

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