第106回 着手率と正答率

■ 模擬試験の算数の結果が分かったところで、次の数字を計算してみてください。1つは着手率。例えば小問が20問ある試験で、いったいどのくらいの割合の問題を解いたのか。

■ もうひとつは正答率。これは、まず解答を見ずにもう一度、やり直してもらいます。で、採点してみる。分母はその点数。そして、分子は模擬試験の点数。本来は家で解く問題の方が、実際の模擬試験の点数よりは高くなるので、(これが逆だと家での勉強がどうなの?という問題にはなりますが。)、本来とれるはずの点数のうち、実際にとれた点数がどのくらいの割合であるかを考えるのです。

■ 残りの期間で、数値をあげるべきはこの2つの数字なのです。が、まず優先すべきは正答率でしょう。ここまで勉強してくると、結構できるようにはなっているはずなのですが、しかし、試験になるとミスがでる。間違える。これは、用心深さが足りない、と言え、特に男の子は顕著にこの正答率が悪い。

■ 性格にもよりますが、男の子は調子に乗りやすい。「僕が間違えるわけがないじゃないか。」みたいなところがあるので、ミスをしでかす。女の子は「間違えるかもしれない」と慎重に解く。で、この裏返しは着手率になります。正答率が上がると、慎重になるから、当然、着手率が下がりやすい。

■ ただ、着手率を上げて、正答率が下がると合格点はとりにくくなる。まずは、正答率を上げる。試験で取った素点が後でやり直した点数に近くなれば、ミスは減ることになるわけで、まずこの数字を上げていくために、いろいろなルーティンを試してみる。計算を見直す。問題文を確認する。もっといえば、「こんなに簡単でいいか?」というような考え方も多少は持っている方が良いでしょう。

■ 正答率が上がってきたら、次は着手率を上げる。で、最終的にこのバランスがうまくとれるようになると、点数は非常に安定してきます。つまり、自分が解けない問題を見分け、解ける問題は確実に解く、ということができるようになると、合格にかなり近づくといっていいでしょう。

■ 過去問の点数がとれない、とか、模擬試験の偏差値が悪い、という状況の場合、次の課題は何かを考えてみるべきです。正答率が悪いのか、着手率が悪いのか。この辺をしっかり見極めた上で、次の対策を考えていくべきでしょう。

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