5年生も実は秋は大変なのです。
中学受験は「小学生でも解ける問題」という範囲で出題されるために、範囲はおのずと広がっています。単純に学校のカリキュラムで見れば中学2年生ぐらいまではあるので、それを1年半で勉強するカリキュラム自身にまずある程度無理があります。そして全体の進行から考えると、ある程度入試に頻出する範囲の中核は5年生の秋に学習することが多いのです。
ところが5年生というのは精神的な成長やモチベーションに関してやはり個人差が大きい。自信をもって毎日の勉強に向かっていっているのはわずかで、「やらされている」勉強をしている子どもたちがまだまだ多いでしょう。
しかもやっていることが難しいので「すぐできなくなる」傾向が顕著です。あまりがんばっていないのに「自信をなくしてしまう」というパターンはよく見られるでしょう。
だからやはり学習する内容に優先順位をつけていくことが大事です。
算数>国語=理科の計算問題>社会=理科の知識分野がひとつの優先順位なのですが、もうひとつの優先順位が「得手を伸ばす」という点です。5年生自身はまだまだ十分なモチベーションで動いているわけではありません。「やらされている」といって過言ではないでしょう。そういう5年生をひっぱる力は「おもしろい」「できる」という2点です。本人がおもしろさを感じてくれれば、勉強するだろうし、「得意だ」と思えばそちらに傾いていきます。
そしてここが大事な点ですが、ひとつ科目が得意になることによって、「他もできるのでは?」という気になるものです。ですから上手に時間を使えない場合は、まずは1点突破をしていくことが効果があります。それが算数であればプラスはさらに大きくなるでしょう。
もう1つ5年の秋の学習で大事なことは子どもを「ほめる」機会を増やすことです。
まだまだだらしがない、字も汚い、式も書かない、お母さんからすれば欠点ばかりが目につくのが受験勉強。しかしそれでは子どものモチベーションを高めることはできません。欠点はなかなか直りませんが、長所は伸びるもの。ですから「うちの子の良いところはどこだ?」をいう点を良く考えて、ほめてあげてほしいのです。
認められればどんな子でもうれしいのです。そしてそこをきっかけに「勉強は結構おもしろいじゃん」という意識になってくれれば大成功なのではないでしょうか?親が子どもに甘えていて「厳しい言葉」ばかりをかけている家庭が多いのではないかと思うのです。それでは意欲のレベルが高くない5年生をやる気にすることはできません。
むしろ「良いところ」「得意なところ」を見つけて伸ばしていく、そういう姿勢で5年生の秋の学習を進めてみてください。