公立一貫校との差別化

公立の中高一貫校は授業料が無料です。

これは義務教育だから、公立の中学に行くのと変わりがない。ただ、一般の公立中学に比べればいろいろ校外活動とかが活発なので、その分費用はかかるが、それでも私立と比べてみれば雲泥の差がつきます。

公立一貫校ができたときに、私立の先生からずいぶん不満を聞かされました。

「同じ内容を無料で出されたら、それは大変なことになる。」

まあ、そういう面は否定できないでしょう。ただ、まだ学校数が限られているから、それなりのバランスがとられている面はあるわけですが、それでも公立の一貫校の倍率に比べて私立の倍率はかなり低下してしまっています。

で、これから私立はやはりそれなりの差別化を考えていかなければいけない。

費用がかかるのだから、費用対効果みたいなことが議論されていかなければならないのです。ひとつの道は、やはり個別化にあるだろうと思います。学校は集団指導の場ではあるのだけれども、それぞれの子どもたちの進捗状況にはやはり差がでてくるので、それをどうフォローし、またどう伸ばしていくのか、ひとりひとりの生徒に対する指導法というのをもっと個別に管理する必要があるでしょう。

また施設の面でも工夫ができるところはあります。公立の学校は当然予算があるわけで、ある特徴に特化した施設というのは作りにくい。しかし、私立の場合はそれが可能であるわけですが、しかし、学校見学に行ってみると案外そういうところでの工夫がないところが多い。

いっときパソコンを備えることが必要だ、とされてどの学校にもPC教室みたいなものができていましたが、それは理科実験室みたいな扱いであって、一般の教室にそれが持ち込まれることはなかった。wi-fiなんかつなげたら、生徒が授業中オンラインゲームをやってしまう、みたいな面もあるのだけれど、しかし、逆にプラスに使えるところもあるわけで、それぞれの学校がそれぞれの建学の考え方や生徒の育て方に沿った独自の施設や学習方式を編み出していくべきだと思うのです。

それが単純に大学受験につながるだけではだめです。例えば海外の大学に進学するプログラムとか、あるいは中学からビジネスモデルを考える授業があるとか、もう少し、ち密な計算と独自の戦略を打ち出していかないといけない時期に来ているように思います。
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