第29回 スランプ(2)

    スランプの原因は心配です。
    でも心配はなくなるでしょうか?いいえ、結果がでるまでずーっと心配は続くのです。ですから心配しても不安は消えません。だから心配しないのが一番いいのです。今やるべきことをちゃんとやっていけばいい、知らないことは書けないのだから、知っていること、できることだけ書けばいいんだと割り切ってしまえれば、スランプとはおさらばできます。

    しかし、そう簡単に割り切れない場合もあるでしょう。ですからそういうときは、少しやさしめの入試問題を解いていくといいのです。私はそういう生徒には電話帳と呼ばれる問題集の中から毎回何校かの宿題を出します。スランプに陥っている子は、よく間違えます。問題を読み飛ばしたり、計算を間違えたり。でもそれをしなければ解けるということを確認してもらいます。
    できなかったら、やり直す。そしてできることを確認するのです。この「できること」を確認する過程で、スランプの直接の原因である「迷い」が消えていきます。
    この問題はこう解くに決まってるじゃないか」と思えば、だんだん今まで勉強してきたことがよみがえってきて、それが自信に変わっていくでしょう。
    この時期は学校の友達も受験することがわかるので、それもプレッシャーの原因になるかもしれません。
    しかし、結果は必ず出ます。で、もちろん合格しないこともあるかもしれません。でも不合格は悔しいことであっても恥ずかしいことではありません。失敗したら反省して、次に挑戦すればいいだけの話。だから結果は心配しないのが一番なのです。
    今できることを確実にやりとげる、入試では自分ができること、覚えたことを書いてくればいいだけだ、そう心の中で決めてしまえば、だんだん迷いは消えていくでしょう。
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