第50回 校長先生の話にほれられるか?

各校の説明会、イベントが6月になって本格的にスタートしています。
本来学校説明会の中心は秋でしたが、最近はこれも前倒しされるようになり、各校でかなりの回数が行われています。

説明会の中で、何を聞かなければいけないか、という点でいえば、私は校長先生の話だろうと思います。こういう保護者説明会を入試担当の先生や教頭先生に任せている、ということでは、まずだめ。

トップ自らが保護者に説明するという気持ちのある学校は、やはり学校自体に活気があります。

で、説明会では大学の合格実績や、施設、カリキュラムなどの話が多いと思いますが、私は校長先生の話にほれられるか、という点が一番のように思います。多感な性格形成期である中高6年間を預ける学校ですから、お子さんに合う、可能性を十分引き出してくれるような学校に入れたいと思うのは、親であれば同じ。

しかしその学校づくりの責任者は校長先生ですから、この人物に信頼がおけるかどうか、というのが私は大事だろうと思うのです。

偏差値や大学の合格実績などというものは、その一面に過ぎず、こういう人物が取りまとめる学校に通わせたいかどうか、というのが親の気持ちを決定する一番の要因ではないかと思います。

いろいろ学校には特徴があり、それをいちいち調べるということも大事ですが、その根幹である校長先生を信頼できるかどうか、という点でもう一度学校をごらんいただきたいと思います。

論語に「知らしむべからず、由らしむべし」ということばがあります。解釈を間違えている文典もありますが、
「知らせることはできないが、信頼してもらうことはできる」という意味です。

細かいことをすべて知ることは短い説明会ではなかなか、難しいでしょう。でもこの先生ならと「ほれる」ことはできると思いますから、ぜひ校長先生の話を説明会ではよく聞いていただきたいと思います。朴訥であっても、子どもを預けるに足る先生であるか、それがわかれば学校の中身も自ずとわかってくるでしょう。

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