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3回の合不合が終わりました。
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さて、成績の進行はいろいろでしょう。いくつかパターンに分けてお話しましょう。
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(1)全体的に右肩上がり
最も理想的な進み方です。順調に力を伸ばし、かつ、自分がとれるべき問題の範囲が広がり、ていねいに解けているようになっている証拠でしょう。
このまま、順調に進んでくれれば、現在、目標校の合格ラインに届かなくても、残りの時間で十分に届く可能性がある。したがって、第一志望について
強気の姿勢でよいのではないでしょうか。
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(2)全体的に右肩下がり
あまり良い進み方ではありません。むしろ、だんだん自信をなくしている、あるいはスランプに陥っている可能性があります。こういうお子さんは帰って解答も見ずに解きなおす点数(私はこれを見込み点といっていますが)との乖離も大きくなっている場合があります。
つまりは、とれるべき点数がとれていない。したがって、精神的な弱点が表にでているわけですから、ここを正す必要があります。
具体的には、やややさしめな学校の過去問を解いていく練習をしてください。もしスランプに陥っているようだと、最初はミスだらけです。
だから、ひとつひとつていねいに解く。そして、直しをていねいにやる。本来できる問題をなぜ間違えたのか。その原因をしっかり見据えて、しっかり問題文を読んだり、条件に下線を引くなどの工夫をしてください。
(参考)
スランプ(1)
スランプ(2)
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(3)点数の上下が激しい
あとでやり直してみると、実はとれる、ということが多いお子さんです。うまくやれれば、そこそこ点数がとれるが、「ヤッチマウ」こともある。やっちまってしまうと、もう点数がまとまらない。つまり、自分がとるべき点数がとれていないということになります。
これは2つ原因がある。
ひとつは問題やテーマに好き嫌いがある。物語文はだめで、説明文だと大丈夫とか。平面図形は好きだけど、場合の数はだめとか。
だめが自分の頭のなかにこびりついているので、簡単な問題でも落とす、という場合があるでしょう。
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この部分を「どぎゃんかせんといかん」わけです。
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したがって、できなかった部分の復習に力をいれてください。基本にもどる時間があれば、それでもいいが、なければとにかくやり直しをしっかりやる。そして「本当は、できるんだ」という意識を持たせることです。
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最初から逃げてしまえば、とるべき点数もとれない。だから、気持ちで負けないようにすることが大切。「場合の数だって、あなたに解ける問題はたくさんあるのよ」と教えてあげることが大事です。
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もうひとつはていねいさに欠ける場合。相変わらず、問題の条件を読み飛ばす。勘違いするのオンパレード。したがって、ミスをどう減らしていくのか、方法を見つけていかなければなりません。問題文を3回読むとか、答えが出たところで、問題を見直すとか、とにかく具体的な方法を実践していくしか、ミスは減りません。ここで具体的な成果をあげていきましょう。
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(4)点数が安定している。
見込み点と素点に乖離が少なく、3回ともほぼ同じ偏差値、だとすると、それがお子さんの力でしょう。これが上位安定していればいいが、そうでないとすると、できる範囲を広げないと、今のままでは合格できません。
では何に手をつける?
過去問が一番でしょう。
出る問題がしっかりできるようになれば、いいわけだから、第一志望の過去問をしっかりやって、出る問題ができるようにしていく。
同じ問題は当然、出ません。しかし、出すスタッフの顔ぶれは同じ。形式も同じだから、ある程度似ている。
という意味において、自分のできる範囲を広げるには、過去問の練習が一番です。第一志望が終わったら、第二志望へ、第二志望が終わったら、第一志望の学校別傾向に似た学校、と過去問の範囲を少し広げていくといいでしょう。
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ただし、偏差値については、傾向があっているかどうかを調べておいてください。
合不合は記述部分がそれほど多くない。しかし、学校によっては「記述ばかり」というところもあるでしょう。その学校について、判定が正しいとは言えない部分がある。むしろ素点と見込み点の乖離が少ないということは良いことなので、合不合のデータは参考程度ということにして、後は受験する学校の学校別対策に力を入れてください。
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データはデータでしかありません。
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これを使って残りの時間をかけて、どうするかが、大事。
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親の方はこのデータを使って、併願校、滑り止め校などを考えていくが、子どもは第一志望の対策に力をいれればいいので、データを利用するんだ、と自分に言い聞かせて、マイナス情報は拭い去り、明日に進んでいきましょう。