さて学校の選び方ですが、まず今の成績はいったん棚上げします。
というのも、それにとらわれていると選択肢がどうしても狭くなってくるからです。最初に考えなければならないのは
(1)受験校か、付属校か
受験校は大学受験をする学校、付属校は大学にエスカレータ式でいける学校です。これはどちらがいいか、というのはご家庭の判断がどうしても必要です。子どもが自分の進路の選択をじっくり考えるという意味では大学受験校の方がいいですが、当然大学受験の負担が生じます。エスカレーター式はその大学の学部しか選べないというデメリットがありますが、一方で学校の勉強をきちんとやっていれば大学に進むことができるというメリットがあります。
(2)男子校、女子校、共学校の別
これは子どもたちの嗜好によるところが多いですが、最近は共学の人気が高くなっています。ただ共学校は少ないため、選択肢が絞られます。現在女子校が共学校に変える検討を進めているところもありますが、実際にはそう簡単ではないので今後、共学校が一気に増加するということはないでしょう。
私学はやはり男子校、女子校が多いようですので、それでかまわなければ選択肢は広がるでしょう。
(3)通学時間1時間以内
学校ではクラブ活動や課外活動があります。当然、朝の練習なども入ってきますからあまり遠距離の通学になるのは望ましくありません。
(4)スクールカラー
割としっかり管理するところと子どもの自主性に任せるところがあります。全社は校則もしっかりあり、生徒の成績管理にも細かい配慮がありますが、一方で宿題が多かったり、成績が下がった場合の子どもの精神的ストレスなどの問題が生じやすくなります。実際に私学でも登校拒否という生徒はいますし、公立ほど公にはなりません。ほぼ自主的な退学を促されるケースが多いので、これは注意が必要です。一方子どもの自主性に任せる学校は、校則も少なく制服もないという学校になります。自由はいいのですが、しつけができていない、あるいは遊びすぎてしまうなどお母さんが心配する点も少なくないでしょう。
このほか、大学の進学実績なども気になるところでしょうが、毎年の増減はさほど気にすることではありません。生徒の顔ぶれによって増減はありますが、現役で合格できなければ浪人で翌年取り返すことが多いので気にかけても仕方のないところでしょう。むしろ5年くらいのベースで増加していれば勢いのある学校であることはわかると思います。
以上のようなことを考えて、いくつか候補を絞ってください。
その上で学校説明会や文化祭など、学校を実際に見て、生徒の様子も見た上で判断されると良いでしょう。
この候補を絞る作業は保護者の方がしっかりとやらなければいけません。子どもたちにはまだよくわからないことがたくさんあります。実際、学校に行けば「制服がかわりい」「サッカーの試合をやっていた」というそれだけで子どもたちは学校に魅かれてしまいます。
事前にしっかり下調べをしたうえで、候補を絞り込んだ上で子どもたちに見せてあげるのがいいでしょう。闇雲に連れて行くのは、時間の無駄と思います。
では(1)~(4)までの視点について、どんな子がどういう学校を選べばいいのでしょうか。次回はこれについてお話をしてみましょう。