算数ではできなかった問題を復習するのが、優先順位の第一位です。
塾によっては予習が必要なところもあるでしょうが、それでも授業でできなかった問題を復習することが一番であることに変わりはありません。なぜか?
「できなかったこと」をできるようにすることで、力が伸びる、ということのように思いがちなのですが、実はちょっと違います。
復習することによって自分で考えるようになる、からなのです。
もちろん、問題を解いているときも自分で考えてはいるのですが、できなかった問題をもう一度考え直すのは、すでに一度考えているわけだから、考えることに深みが増します。
図を描いたり、グラフを作ってみたり、模型を作ってみたり、といろいろやっているうちに、「あ、そうかあ」と気が付く。
気が付かずともウンウンうなった後、解説を読むと「なるほど!」と理解できる。
これはウンウンうなるから、「なるほど!」が大きくなるのであって、ウンウンうなっていなければ、結局のところは発見があまりないから、実はできるようにもなっていないのです。
ところが、塾で与えられる問題が多いから、そう一問に時間がかけられるわけではない。だから、ついウンウンうなっていると
「そろそろ答えを見たら?」と大人は言いたくなるでしょう。
しかし、そこを多少こらえていないと、子どもは本当に考えなくなるのです。本当に考えている過程で実はできるようになっている。たくさんの問題を解くことでできるようになっているわけではないのです。
ここを間違えてしまうことが多い。同じようなパターンの問題を数字を変えて解いたところで、それは機械的に解いているだけのことだから、あまり考えていない。だから思考力はつかないのです。
私は1問最低15分は考えるべきだと思っています。ところがあきらめの良い子、(あるいはいいかげんな子)は1分もたたないうちに「わかんない」と答えを見始める。
で、実際に読んでわかっているのか?といえばうなっていないから、読んだこともよくわからない。だから、これまた力はつきません。
復習する、というのはウンウンうなりながら考えるようになるから、大事なのです。
じっくり算数教室第1回 植木算 セット版(田中貴)
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