第80回 家ではできる理由

■ 模擬試験が帰ってきて、復習させてみると、頭をかきむしっている子が結構います。

■ 「A君の分速だよ。」とか、「弟の方が速いんだ。普通、兄の方が速いでしょう?」と問題に文句を言っても仕方がない。そう試験中にはできなくて、家に帰ってからできるのは、ゆっくり問題を読んでいるからです。

■ 試験中は当然、終わらないといけない、と思うから、猛然と解き進む子が多い。ぱっとみて、あ、こうね、と早とちりする。あるいは、読み違える。さらには、計算間違いをしたり、自分の字を見間違えたり。いろいろミスの原因はあるが、急いでいるからこうなる。しかし、試験中は急ぐのが当たり前ですから、「急ぐな!」と言われてもそれは無理。

■ したがって「急ぎながらもミスをしない」方法を確立しないといけないわけです。だからいくつかルーティン(決まり事)を決めないといけない。問題を読むときに下線を引いて、答えが出るときにもう一度見る、なんてことは今の段階でまずやれないでしょう。しかし、模擬試験や過去問が進むうちに少しずつ身についてくれば、明らかにミスは減ってきます。

■ ミスをしないの!と言ってもミスは出ます。だから、ミスを防ぐルーティンを作って、練習する。最初からうまくいきません。でも毎月月例テストがあったり、組み分けテストがあるのなら、そこで練習するのもひとつの方法です。

■ 子どもに急ぐな!というのは無理だと承知しておいてください。模擬試験の様子を横で見ていると「始めてください」と試験官が言って数秒もしないうちに、カリカリという鉛筆の音がし始めます。つまり、みんな猛然とした勢いで解いているわけで、そういう横で、「まあ、ゆっくり、いきましょうよ。そう慌てずに。」なってやっていること自体無理なのです。

■ だから急いで、ミスをしない方法を確立していきましょう。

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