受験校の主流

基本的に6年一貫校の多くはシラバスを速く進めます。

中学3年までの課程を中学2年までに終えて、そこから1年ずつ前倒しをすると、高2で高校の履修部分は一応終わることになるので、あと1年間は受験準備に費やすことができる。そう、これは今の中学受験塾と似たようなところがあります。試験の1年前に一応カリキュラムを終えてしまう。

しかし、やはりそこには多少問題があるようで、ここのところ見直しが始まっている学校も多くなりました。つまり、速く終わってもできなければ仕方がない、という考え方に傾いてきているのです。

土台、なぜ速く終わろうとしたのかといえば、生徒それぞれの大学志望に合わせてやることが違うだろうから、その時間を生徒に充分与えよう、ということだったのです。しかし、充分に時間を与えいているつもりでいて、生徒本人が何をしていいのかわからなくなってきている。

昔は高3で浪人のクラスにもぐりこんだものもいれば、学校の図書館に定席を作ってそこで勉強し続けるというような子もいたようですが、どうもそのような時間を与えてもだめな感じ。むしろ速く進む分だけ、振り落とされた子どもたちが多くなって、これでは本末転倒だ、という議論になってきた。

しかし、教員の中には「そこまで、面倒を見ないといけないのか」という議論が根強くあります。こんな話をすると今のお母さんはびっくりされるかもしれませんが、「そんなの自分でやれることが大学へ行く基本能力でしょ?」という考えが普通だったのです。

今は、そうはいっておれなくなった学校が多いので、そうなると学校が塾みたいになってくる。カリキュラムを明確にして、期末試験や学年末試験でチェックして・・・。

その結果として学校の先生は自由に自分の授業がやれなくなった学校があるでしょう。一方で頑なに先生の自由を守っている学校もあります。

が、一般的に近年進学実績が伸びてきている学校はほぼ、塾のようにやっているところが多いでしょう。

なぜか?

つまり、子どもたちが手取り足取りされることになれているからです。

今は、予備校も、塾も完備されているから、その通りにやればいい、ということになる。逆に自由を与えられるとかえって困る、ということになるわけです。

だから、細かく指示をすることが受験校の大事な役割になりました。これが現在の受験校の主流です。だから学校が塾と変わらない、という印象を持つ子もいるのは無理からぬことなのですが。

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