日本は均質化しやすいが、

均質化と多様性の話をここのところ、よくテーマに取り上げているのですが、実は日本という国はよくよく考えてみると均質化しやすい国なのです。

同じ民族で構成される島国だし、戦後の経済成長によって一時ではあるにせよ「一億総中流時代」などと言われたことがあるわけだから、均質化をむしろ目指していたといってもいいかもしれない。

で、先に多様性が必要だ、と言われている議論で抜け落ちている部分もあるなあ、とふと思うことがあります。

例えばアメリカは貧富の差がどんどん広がっている。ほんの一握りの金持ちと多くの貧困層がいて、オバマケアが始まるまで健康保険に国民全員が入れなかった、ということを考えると、結構日本は悪くない、わけです。

ただ、少子化が進んできて、その社会構成は明らかに危機的状況にあるわけで、2060年に就労人口が4600万人になるという予測を読むと、何とかしなければいけないところは絶対にある。

で、ここのところこれではいけない、というので多様性に目を向けているわけですが、それは日本の弱点なんだから、あまり国際的な市場で勝てるところまでいかないんじゃないだろうか?

それよりも、同じ教育レベルの人間が集まってできる組織が日本的組織なのだから、その強みを活かした方が良いのではないだろうか、という気がするのです。

日本は一括採用の国ですが、これもまた企業が人的投資をする良い部分であって、だからこそむしろこれを活かす方法を考えていった方がよほど日本の力は活性化するのではないか、と思うのです。

黒船が来て、「あぶない。あぶない。」と言い出すと、みんな「あぶない」と思いやすいのもまた日本人の特質かもしれませんが、しかし、勝負は長所でやるものですから、むしろ均質化を武器にした方が良い。むしろそれをおそれた誰かが「あぶない、あぶない」と言い出したのかもしれません。

ただし、個々人のレベルでは、もう少し汎用性というか、多様性があってもいいかもしれないと思うのも事実なので、これはぜひ小さいころにいろいろなことをやらせてみる、ということでカバーしていければ、と思うのです。

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