昨今、気になる議論に、「英語教育早期論」があります。つまり、早くから英語を教えよう、ということなのです。実際に小学校でも英語を習っているし、幼児期の英語教育も流行っている。
しかし、これらの早期教育が私は役に立つとは思っていないのです。なぜか?
日本は日本語で暮らせるからです。英語ができないのは、英語を使わないからです。毎日英語を聞き、英語を話さなければ生きていけない環境になれば、習った英語は非常に生きるでしょう。しかし、今習った英語を、日本でどこで使うというのでしょうか?
だから、私は中学からでいいと思うのです。以前、英語教育でリスニングとか会話が大事だ、とされてテープを聞いたり、まあ、いろいろしたでしょう。でも、日本人は英語をしゃべれるようになったか?なってない。
つまり今生きていく上で必要ではないからです。これがシンガポールだったら絶対に必要だと思うけれど、日本はそうではない。だから、むしろ母国語をしっかりした方が良いと思うのです。
人間はものを考えるにあたって言語を使います。つまり、言語の上に考えや思想があるわけで、それがしっかりしていないと自分の論理が明確でなくなる。
少なくとも小学生までの間で自分の論理なり考えを的確に表現できる言語体系をしっかり持つことの方が重要であって、それがあれば、その体系を必要に応じで、英語でもフランス語でもイタリア語でもすればいいと思うのです。
むしろその骨格となる日本語が充分でない子どもたちが増えていることの方が問題だと、私は思うのですが。
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