第8回 子どもはさぼるのが仕事

「今日は、これをやってね」
と課題を決めて、家をでたとして、お母さんが帰ってくるときまでにそれが終わっている確率はどのくらいでしょうか?

大方やっているという場合は、たいしたものだと思います。それなりに本人のモチベーションも上がっているし、自立して勉強できるようになっている、そういうお子さんは特に問題はないでしょう。

その確率が50%を切っているという子が実は一番多いのではないかと思います。

子どもはさぼるのが当たり前。遊びたい、ゲームもしたいし、テレビも漫画も見たい。そういうのを我慢して自分をコントロールするということが10歳、11歳でできると思ってはいけません。

だから塾や個別指導に出す、という方も多いでしょう。最近の塾は「家で勉強しなくても大丈夫」と豪語するところもあるそうですが、そんなばかな話はない。

やはり自分の机で、自分の時間をかけて勉強することが勉強の基本です。塾では教室にいますから、形は勉強していることになる。それで親も子どもも安心する。しかし力はついていない、ということが多いのです。

では、どうするのか。

さぼるのを前提に考えてしまえばいいのです。お父さん、お母さんがいるところで、しっかり勉強する。いないときに遊んでもまあ、仕方がない。塾にやってもいいでしょう。多くを期待しなければ。
その上で、子どものモチベーションを上げる、あるいは自立心を養うのです。

どんな子でも6年生後半はよく勉強するようになります。それは締め切り効果があるから。だからこのときに伸ばせばいい。それまであまり成績が伸びなくても気にしないことです。土台、子どもはさぼるのが仕事、さぼった結果が悪くて当たり前なのですから。

成績が悪いからといって、お金を出して個別指導や、家庭教師を雇ったとしても、多くの場合、効果はあまり見られません。なぜ?

これまた子どもはさぼるのが仕事だからです。さぼらせないようにするには、子どもが自ら「さぼらないように」動機をつけるしか方法はないのです。子どもたちは、上手にサボる方法だけは卓越したものをもっていますから。

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