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今の6年生に
「本当に合格したいと思ってる?」
と聞くと、
「もちろんです。」
とかえってきます。
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しかし、そのために、字をきれいに書こう、問題をよく読もう、など勉強の決め事を作っていたとしても、それを守る子は決して多くはないのです。
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なぜでしょうか?
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私はこれが幼さだと思うのです。「合格したい」と誰もが思っている。しかし、それは自分の努力や勉強で手にはいるものだ、ということは実感していない。今の子どもたちは大変豊かな生活を送っています。だから、そういう楽しいことは「だれかがもってきてくれる」と思っているフシがある。
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「自分で勉強しなきゃ、合格しないよ」
といえば、
「そんなの、わかってる」
と答えるでしょう。
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しかし、この12年間の中で、彼らが努力をして結果を得たことがあっただろうか?成功体験はあっただろうか?と自問してみると、そうでないお子さんが案外多いものなのです。
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子どもですから、親が保護するのは当たり前。だから、いろいろなものは親の意思で与えている。が、子どもの意思で子どもが自分の力で得たものはあったのか?というと、これが少ない。だから子どもたちは、「合格したい」とは思っていても、結局「お母さんが入れてくれる」ぐらいに思っているところはあるのです。
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その意味で考えるならば、中学入試というのは、子どもが初めて自分の力でぶつからないければいけない壁です。だから、教育的には非常に良い。つまりここで勝とうと負けようと、自分がやらなければ手に入らないものはある、お父さん、お母さんに与えてもらえないものがあることを知るわけです。
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ただ、そういう経験は受験前に本当はあった方が良かった、ということは言えるので、まだ3・4年生のみなさんは考えてみてください。
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例えば柔道で級をとる、とか、試合に勝つとかそんなことは本人の努力や力でしか成し得ないことですから、塾に早く行くばかりが道ではありません。
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今の6年生には?
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常にそれを言い続けること。そして、お父さん、お母さんもある意味腹をくくる必要があります。
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「私が入れてあげる」などとは絶対に考えてはいけない。
自分で努力しなければ合格しないんだ、ということがわかれば、たとえ中学受験が失敗でも、子どもの人生にとっては大きなプラスにはなるのですから。