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この話題は、この時期良く聞かれます。
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私の教室は慶應専門ということもあり、5年生からしか募集しません。今の塾からするとありえない遅さですが、これには私なりの考えがあります。
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私は、早くから塾へ行く必要をあまり感じてはいません。ただし、勉強はなるべく早くから進めるべきだと思っています。漢字、計算、読書。いわゆる基礎学力はそう短期間で身につくわけではない。基礎から始めてその子のペースでじっくりとやらないと、力にはなりません。
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で、その基礎学力がついていたら、塾は4年生の3学期からで十分でしょう。つまり受験勉強は2年間。
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最近の塾はこれを前倒しますが、結局、4年生の学力で中学2年までの中学受験の内容をどこまで理解できるのか?といえば、なかなか難しい。むしろ、4年生までしっかりとした基礎学力をつくることが大事。
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基礎学力とはいっても、例えば計算は分数や小数が当然できるというのが、私のいう基礎学力です。本を読むというのは、自分の好きな本でいいが、少なくとも書かれていることが十分に理解できる、というレベルに到達してもらわないと、その後、テキストを読んだり、テストの問題を読んだりしても、まったく歯が立たなくなってしまう。
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みなさんは、ここを取り違えているように思うのです。進学塾には小学校4年の3学期からで十分。しかし、その間に基礎学力をつけていなければ、進学塾のペースには間違いなくついていけなくなる、ということです。
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だから、塾に早く行っても、それが身についていなければ、4年生3学期の授業ぐらいから、当然、ついていけなくなるわけで、そういうお子さんは良く見かけます。そして組み分けテストでズルズル下に落ちていくわけです。
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先日も、入塾の相談にこられたお母さんがいました。しかし、今3年生。私の教室に該当するクラスはありません。
「先生の教室は5年生からですね?」
「そうです。」
「では、4年生はどこで勉強すればいいでしょうか?」
つまりは推薦の塾をという話なのですが、そう塾を急ぐ必要はありません。が、逆にこんなことを伺ってみました。
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「いま、どのくらいのかけ算ができますか?」
「多分、学校でやっているレベルと思いますが。」
「それは何ケタ×何ケタですか?」
「・・・・」
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そう、これではいけませんね。働いているお母さんにとって、お子さんの情報をつかむことは大変でしょうが、仕事が忙しいからといって託児として塾を考えてしまうと、こんなアンバランスが起こってしまいます。
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「まずは、お母さんがいっしょにこういう教材で勉強してみてはどうですか?」
とお勧めしました。
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今、お子さんが「何桁×何桁」の掛け算ができるか、ご存知ですか?まずは、しっかり基礎学力を作る、そこからスタートしてください。塾はその後からでも十分です。