「解法を覚える」では力がつかない

 授業で子どもに新しい単元の説明をします。
たとえば流水算とはこういう問題だ。相似形というのは、こういう特徴を持っている。
そして一通り理解してもらったら、後は問題をやってもらう。ここからは、教えることはあまり多くなくていいのです。

 次に私がやるのはヒント。しかし、これはある子にとっては自分の解く過程を否定される可能性があるので、聞きたい子だけ聞け、といっています。
そして、答え合わせ。あるいは、できた順に丸付け。
簡単な説明をしますが、プリントにはなるべく、しない。その場で聞いて、メモしてもらう。そして、帰ったら復習です。できなかった問題をやり直す。
ここで大事なことは教えてもらった解き方で解くのではなく、考えて、見つけることです。
解法パターンを覚えていれば点数がとれるという考え方はしないことです。週例テストや月例テストでそういう勉強の仕方をしていると総合の模擬試験のときに、点数がとれません。
だから、あまりパターンで覚える勉強はさせないこと。(たとえ点数が悪くてもです。解法を覚えるというのは、考える力が出てきて、解く過程を省力化するために覚えた方法を使うのです。それがすべてでは力にはなりにくいのです)。

 今の塾の勉強のさせ方は、目の前の試験の点数にこだわりすぎているような気がするのですが、どうでしょうか。

 個別指導や塾の回数を増やしたからといって、子どもが自分で考えなかったら、できるようにはなりません。特に算数は自分で考えなければ、解けない問題が増えるばかりです。ところが塾にしろ、個別指導にしろどんどん解き方を教えられてしまう。もちろん、そういうことも大事でしょうが、しかし、そればかりになって自分で考えなければ、進歩は小さいのです。
だから与えすぎない。むしろ、子どもが好んで算数の問題を解く、おもしろいと思って国語の文章を読むようにしないといけないのです。

自分で勉強ができるようにする、このことはまず中学受験の過程で、子どもが身につけることのできる大きな成果だと思うのです。

自学自習のくせをつけましょう。

「映像教材、これでわかる水溶液」(田中貴)

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