私立同志社香里中(大阪府寝屋川市)が今月実施した2012年度入試で、全受験生に対し、併願校とその合否、通っている学習塾名を答えさせるアンケートを行ったそうです。
このアンケートが問題になっているようですが、以前からこの手のアンケートは行われていましたから、今更、という感じもしますが、ではなぜ学校はこんなアンケートをとるのでしょうか?
誰を合格させるか、ということに使っているわけでは当然ありませんが、問題は合格者数と補欠の数にあるのです。
例えば自校が第二志望や第三志望になっているアンケートが多ければ(自校より難しい学校が併願校になっている場合がそうですね。)、これは当然合格者数を増やしておかないといけない。あるいは補欠の数を考えておかないといけない。
補欠を通り超えて、さらに合格を出す、というのはできれば避けたいのが本音です。
入試の担当の先生と話をしていると、
「昨年の入試は間違えた」
という話が聞かれます。これは、数の話。つまり合格者数を出しすぎて、1クラス多く作らざるをえなくなった、とか。でもこれはまだ良い方で、問題は定員が埋まらない場合。
補欠を繰り上げても、繰り上げても、まだ埋まらない。これは時間が経てば経つほどそうなります。
だから、なるべく合格を発表する段階で適切な数字を出したいので、こういうことをするのです。
では学習塾名は?
自校を受けさせてくれた学習塾に対してさらに情報を出せば、来てくれる数は増えますね。また来てくれないところには当然、働きかけをしないといけない。「学校側の営業資料」ということになるわけでしょう。
ただ、学校側は当然、個人情報を持っているわけですから、こういうアンケートはよほど上手にやらないと、問題が起きてしまう。
これから他校にどういう影響があるか、ちょっと気になる記事でした。