国語の入試問題の出来は、長文の読解にかかっています。
で、読解とは何か、ということについていえば、文章に書かれていることが理解できているか?ということに尽きます。物語文についていえば、登場人物の人間関係やその人が置かれている状況、環境、時代背景が理解でき、かつ、物語の進行に合わせて登場人物の気持ちが理解できるか、ということになるでしょう。
といいながら、これがやはり難しい。
現在入試に出題されている文章は多くが、子どもたちのために書かれたものではありません。むしろ大人向けに書かれているものが多い。だから出題される文章を見ると、高校入試とあまり変わらない。
なので小学生が一番最初にぶつかる問題は具体的なイメージがわかない、ということではないかと思うのです。その文章に書かれている世界が、自分にとってなじみのあるものではない、ということが良くあるでしょう。
だからこそ、読解の中で文章を読みながら、その光景がイメージできるのかどうか、ということが理解のポイントになります。このとき、文章を読みながら頭のかたすみに映像が浮かび上がっていると、その文章の世界に入り込めているということになるかもしれません。
ただ、その想像力というものが、やはり子どもたちには乏しい面があります。ではそれをどう補っていけばいいのでしょうか。
私は、子どもたちといっしょに文章を読みながら、いろいろなことを問いかけることをお勧めします。
特に4・5年生のときは国語の授業でそれをやります。一通り音読を終えた後、私は子どもたちにいろいろなことを聞きます。
「お父さんはどうして扇子を折ったのかな。」
「どうして空が大きく見えたのかな。」
活気のあるクラスであれば、子どもたちのいろいろな想像がかえってきます。それを聞いている子どもたちには、だんだんイメージがふくらんでくるでしょう。映像がうかびあがっているかもしれない。
そのイメージが浮かび上がってくれば、文章の世界に入り込めたということになるのです。
ですから、問題を解く前に、そのイメージをしっかり膨らませていく必要があります。これは家庭ではなかなかやりにくいかもしれませんが、それでもいろいろな想像が出てくると文章を読む力というのはついてくるのです。
速く読むとか、選択肢の答え方とか、技術的な話よりもむしろ、そういうイメージを膨らませることを大切にしてください。
女子が男子よりも国語ができる、というのはこの想像力のたまものだと私は思います。
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