第27回 ズル

■ 受験勉強が進むにつれて、いろいろなズルが見えてくることがあります。

■ 漢字や計算をしていると思ったら、答えを写していた。自分で書かなきゃいけないところを、「本文をまるまま写していた。」宿題が出ているのに、「宿題はない」という。まあ、いろいろあるかもしれません。

■ この原因は何か? 2つあると思うのです。ひとつはめんどくさい。子どもたちの中での優先順位を考えると、楽しいことが先。面倒なことや勉強はあと、ということになりやすい。したがって、いろいろあるけど「面倒だ」。しかし、そのままほっておくと怒られる。ごまかす方法は? 写そう。ということになる。

■ もうひとつは、やはりプレッシャーでしょう。成績はあげなきゃいけないが、わからないことが多い、できないことが多い。しかし、やらなきゃいけない。なら? 写そう。ということになる。

■ それが自分のためにならない、ということはわかりそうなものだ、と思うかもしれませんが、そうではありません。子どもの心理は、「親の期待を裏切らない」ようにしたい。「怒られないようにしたい。」 でもできないから、うわべだけをそうしようとする。

■ 試験でのカンニングも同じようにおこります。

以前、ある中学の入試後、入試担当の先生に話を聞いたら
「今年は3名、カンニングで落としました。」
と言っておられました。学校は明確にカンニングがあれば、当然落とします。しかも、それは情報公開されません。だまって落とす。選ぶのは学校ですから。

■ だから、もしズルしたことがわかったら、基本的には、子どもは追いつめられている、と思った方が良いのです。もちろん、いい加減な子はたくさんいます。ただ、それでも恰好をつけないといけない、と思っているからズルをする。

■ しかし、それは本人にとって何もならないことをしっかり教えないといけないでしょう。カンニングは人のものを盗むのといっしょ、ということを教えるのも大事だが、それ以上に、「自分で考えない」のは時間の無駄で、自分の力がつかないのだということをよく理解させる必要がある。怒るだけではだめです。しっかり教える。こういうところを親は緩ませてはいけません。これが躾です。

■ 受験の準備段階では結果を気にするよりも過程を気にした方が良いと思います。勉強の過程が良ければ、やがて結果はついてくる。逆に結果が良くても、過程が悪ければ最後に「落ちる」ことはあるのですから。

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