■ 学校から帰ったらすぐ勉強を始められれば、時間は有効に使えます。夜勉強が遅くまでかかる子を調べてみると、意外にこの時間が使われていないことが多い。だから夕食までに2時間から3時間しっかり勉強ができれば、家庭学習は結構進みます。
しかし、やはり、おやつだ、休憩だとついだらだらしてしまう。その結果として、何となく勉強は夕食後から、みたいな感じになってしまうのでしょう。
■ 勉強のとっかかりをつくる、ということは案外難しいことなのです。私もおすすめしているし、多くの方が指摘しているが「子どもを食堂で勉強させる」のも実はその「とっかかり」の部分が大きい。
■ 「さあ、勉強しようか」と親がいっしょに勉強を始められる。途中、家事をしていても、合間に子どもの様子を見ていられる。子どももすぐに聞ける相手がいるので、便利と思って、そのまま机代わりにしてしまうのですが、しかし一番大きいのはとっかかりです。
■ 授業中、家のどこで勉強しているかを尋ねたら、やはり食堂が多かったのですが、ある女の子は「絶対に自分の部屋」と言っていました。
「どうして?」
「人のいるところでは気が散って勉強できません。」
「すぐに始められるの?」
「自分の部屋に入るところで。『さあ、勉強しよう』と思いますから。」
「それはいいねえ。」
■ そうなれば別に食堂で勉強する必要はないわけです。しかも自分の部屋で集中して勉強する方が確かに能率が上がる、というケースもあるでしょう。ただ、幼い子の場合はなかなか勉強のスイッチが入らない。だから食堂という手が出てくるわけです。
■ この問題は、子どもたちがいかに「志望校に入りたいか」ということでだんだん解決していきます。秋になって受験校の話題が増えると、スイッチは入りやすくなります。しかし、今の時期はまだまだ。だから勉強する場所を工夫したり、勉強時間を工夫する必要はあるのですが、一方で元の動機をしっかり固めていく、つまり志望校に入りたいという気持ちを強くさせていくことも忘れてはいけません。その両輪が動くと、勉強のスイッチは入りやすくなるでしょう。
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