ある塾の模擬試験を受けて、偏差値が出ました。
第一志望校の合格可能性偏差値をみると、例えば合格可能性80%偏差値が64だとします。これが別の塾のを見ると60になっていたり、また66になっていたりするのです。
60だとほっとしたり、逆に66だと、え?と思ったりするかもしれませんが、偏差値は当然、試験によって異なります。偏差値とは、平均からの離れ方をいうので、平均点が偏差値50。そして標準偏差を計算して、その標準偏差1つ分平均から上にくるポイントが偏差値60、下に1つくるところが偏差値40。平均点は試験によって異なりますので、平均からの離れ具合を示すことで試験間の比較をするのが、偏差値です。ちなみに偏差値70以上というのは統計上、全体の2.275%しかいないのです。
だから、偏差値は試験を受けた集団によって異なります。同じ学校の偏差値が低ければ、その試験を受験した層が一般的には高いことになる。ただ、偏差値はその試験を受けて「判断」するものですから、偏差値表に一般性があるわけではありません。
つまりAという塾の試験を受けて出た偏差値はAの偏差値表で見るべきであって、Bの塾やCの塾の偏差値表は関係ない。
しかも合格可能性については、合格可能性の判定でもお話しましたが、昨年の同時期の試験の結果偏差値と受験生の合格実績を比較しています。
つまり、子どもたちが今年受けた試験について、「問題が昨年と同じレベル」であり、「集団も昨年と同じ分布をなしている」という前提において、計算されているわけです。
これは塾側としては便宜上そうするしかないわけで、したがって偏差値表はその試験のみに適用されるわけですが、学校選びの手段として横に受験日、たてに偏差値を配置したこの偏差値表は大変便利なので、つい独り歩きを始める。
そうすると塾の偏差値表を比べてしまって、「あら?」と思ってしまったりするわけです。
逆に自分の志望する学校を受験するであろう集団がその試験を受けなければ、偏差値も合格可能性もぶれることになります。
したがって模擬試験というのは、
「自分が受ける第一志望の受験生がなるべく多く受ける」試験を受験して
「その試験の偏差値から、その試験の偏差値表のデータ」を参考にする
というものであって、それ以外の使い方はあまり考えてなくてよいのです。
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