中1が期末の対策のために塾にやってきました。
彼は中高一貫校に通っています。今年の1月までは私が教えていた子ですが、
わからないことができたので質問に来たのです。
ところが彼が持ってきたのは、その学校が作った教科書。
説明や問題は書いてあるのですが、その問題の答えも書いてなければ解説
も書いていません。
「この問題は先生が解説してくれたでしょ?」
「はい、そうです。」
「そのノートは?」
「ここにあります。」
彼は自信をもってノートを差し出しました。
しかし…
彼のノートは先生が書いたであろう幾何の図を写しているだけで、肝心の
答えは何もかいていない。
「この図を書いてくれたときに、どういう説明だった?」
「え、あ、その・・・」
つまり彼はそのときは理解したつもりでノートには書かなかった。
で、こうなると始末が悪いのです。なぜか、この幾何の問題は、いろいろな
説明があり得るのです。問題は先生がどう教えたか、ということですが
ノートもなく、解説・解答もなければどうしようもありません。
結局、複数の説明をし、かつ多分クラスで1人や2人はいるであろう、ノートを
きれいにとっている子から情報を取ってくるように指令を出しました。
ノートのとり方がまだ、十分でない。これはサービスが良い塾から出た生徒なのです。(ええ、もちろん私の塾の話です。)
なぜならテキストに答えも解説も載っている。
しかし、この学校の授業はそういうサービスのよさは一切ありません。
なぜか?
授業を真剣に聞かせるためです。
「やはり与えてしまうと、自分でできるようにはならない」
サービスの悪い授業は、ある意味子どもたちをタフに育てるものなのです。