鏡の問題

早稲田実業2011年の問題です。


部屋の中に天井まで高さのある2枚の鏡①と鏡②があります。鏡は、部屋の真上から見ると図1のようにL字型に置かれており、両面が鏡の面になっています。部屋は場所を表すために、a~fまでの6本の横線と、1~6までの6本の縦線が引いてあります。例えば、図1の★の位置を表すときは、(al)と表すことにします。
部屋の明かりを消して、(e3)の位置に電球を置いたところ、いろいろな明るさの場所(あ)~(お)ができました(図2)。電球はどの方向にも同じ明るさで光ることとし、電球から離れると暗くなること・光がもののかげに回り込むこと・壁(天井、床を含む)での光の反射・電球自体のかげは無視することにします。

問1 図2で鏡にうつった電球の像が見える位置を、以下の①~⑳からすべて選んで番号の小さい順に答えなさい。
①(al) ②(a2) ③(a3) ④(a4) ⑤(a5) ⑥(a6)
⑦(bl) ⑧(b2) ⑨(b3) ⑩(b4) ⑪(b5) ⑫(b6)
⑬(C5) ⑭(C6) ⑮(d5) ⑯(d6) ⑰(e5) ⑱(e6)
⑲(f5) ⑳(f6)

問2(あ)~(お)の明るさの関係を表す式(ア)~(エ)のうち、正しいものを1つ選んで記号で答えなさい。
(ア)(お)>(え)=(い)>(う)>(あ)
(イ)(お)>(え)>(う)>(い)>(あ)
(ウ)(お)>(う)>(え)=(い)>(あ)
(エ)(お)>(う)>(え)>(い)>(あ)

問3 鏡②の両面を黒い布でおおって、電球の光が鏡②で反射しないようにしました。このとき、部屋の各場所の明るさの変化について、以下の(ア)~(エ)から誤っているものをすべて選び記号で答えなさい。
(ア)(い)と(え)は、鏡②を布でおおう前の(う)と同じ明るさになる。
(イ)(う)と(え)は、鏡②を布でおおう前の(い)と同じ明るさになる。
(ウ)(お)は、鏡②を布でおおう前の(う)と同じ明るさになる。
(エ)(お)は、鏡②を布でおおう前の(え)と同じ明るさになる。

 次に、黒い布と(e3)の電球を取り、(b3)と(e5)の位置に電球を置いたところ、いろいろな明るさの場所(A)~(G)ができました(図3)。

問4(A)~(G)の明るさの関係を表す式(ア)~(エ)のうち、正しいものを1つ選んで記号で答えなさい。
(ア)(F)>(G)>(A)>(B)>(C)>(D)>(E)
(イ)(A)>(G)=(C)>(B)=(F)>(D)>(E)
(ウ)(A)>(B)=(G)>(C)=(F)>(D)>(E)
(エ)(A)>(B)=(F)>(C)=(G)>(D)>(E)


【解説と解答】

問1 鏡に対して線対称の位置に電球の像が映ることになります。また鏡の角(c4)について点対称の位置にも映りますので、下の図で赤丸の部分になります。

(答え)③ ⑤ ⑰

問2 なぜ(あ)から(お)に分かれているのか、ということになると問1で答えた場所にあたかも電球があるかのように、明かりが反射して出てくるからです。

しかし、実際には反射ですから、鏡の向こう側には明かりが行きません。したがって(あ)が一番暗く、(お)は明かりが重なるのが一番多いので明るくなります。問題は(い)(う)(え)です。

(い)はTだけ 1個分の明るさ
(う)はTとR 2個分の明るさ
(え)はTとRとQ 3個分の明るさ

ということになるので明るさは

(お)>(え)>(う)>(い)>(あ)

になりますから、答えは(イ)になります。

(答え)イ

問3 黒い布を鏡②にかけてしまうとQとRからの明るさが来ません。

したがって
 かける前  →   かけた後
(あ) 0個  →  0個   
(い) 1個  →  1個
(う) 2個  →  1個 (Rがなくなる)
(え) 3個  →  1個 (RとQがなくなる)
(お) 4個  →  2個 (RとQがなくなる)

ということになります。
(ア)(い)と(え)は同じになるが、かける前の(う)と同じではない → 間違い
(イ) 正しい
(ウ) 正しい
(エ)(お)はかける前の(え)と同じではない。 → 間違い

(答え)(ア)(エ)

問4

今度は鏡の凸側に2個電球を置いたので、それぞれ1個分の反射がおきます。したがって区分は以下の図のように反射した光によって分類されていることになります。

したがって、それぞれの場所で何個分かを調べてみると図のようになります。

したがって

(A)>(B)=(G)>(C)=(F)>(D)>(E)

ということになるので、答えは(ウ)になります。

(答え)(ウ)

問題の図でどうしてこの区分になっているかを考えると、例えば問4の場合、2個分だけ増えた、ということがわかるでしょう。

反射の問題は鏡に対して線対称の位置に、同じものができ、鏡がガラスになって光が通ると考えるとわかりやすい場合があります。

自分で図を描いてみると、光の線がどう通るのかわかるので、そのコツがつかめれば、鏡の問題はそれほど難しくはなくなるでしょう。

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