みなさま、あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。
あっという間に冬期講習前期が終了しました。
ことしは30.31日に合同授業があったり、模擬試験があったりしましたが、長時間
にわたる特訓授業を6年生がなんなく乗り切っているのをみて、頼もしいと思う一方、社会の知識テストの結果を見て、ため息をつき。
とはいえおおみそかの19時過ぎまでよくがんばりました。
これで3日間の休みの後、また4日からスタートです。
さて、先日卒業生の数学を教える機会がありました。(高校受験の卒業生です。)
次の試験の内容を見せられて、「ああ、そのくらいなら教えてあげるよ」と引き受けたのですが、これが高1?と思う内容なのです。これをいつ勉強したのか、われわれの時代の指導要領では少なくも中3には入っていたはず。
つまり指導要領はどんどん削除されていくが、そのつけは高校教育に回っているのです。昨年は未履修の問題がありましたが、どんどんつけをまわされた高校側では大学入試という優先順位の中では切り捨ててしまった範囲は少なくないのでは?と思います。大学受験のレベルはある程度変わっていないとすれば、高校で詰め込まないといけないという事情が出てきます。
私学は、6年一貫で中学校の課程を中1、中2までで終えて、中3で高1とスライドさせていき、最後に大学受験の演習をさせるというプログラムを組んでいるところが多くなってきました。
これは早い!と思っていたのですが、実は旧指導要領に比してみるとスピードは同じであるということなのです。つまり私立は以前と同じスピードで進んでいるにすぎない、公立が遅くなっているということになります。
有名大学合格者の6割が中高一貫校卒業生というのは、ある意味必然の帰結なのです。指導要領は減らしていいものではない、むしろどう理解させていくのか、もっと勉強法や指導法に対する研究がなされるべきでしょう。
中学受験は今年首都圏全体の17%ぐらいになるでしょう。しかし例えば横浜市港北区の調査では中学受験率は30%程度にまで拡大しています。首都圏では50%を越えている学校も出てきました。しかし私立ですからそれなりにお金がかかります。良い教育はお金がなければ得られない、格差は確実に広がっているのでしょうか。しかし今まで普通にお金をかけずにすんでいたのに、カリキュラムが遅くなり、今までのレベルを維持するには、特別料金がかかりますといわれているようなものなのではないかと思うのです。
中学受験率が上がる、しかしその裏にはそういう背景が見え隠れしています。
追伸
義務教育は中学3年までとはいいながら、高校進学率は99%。つまりどんどん先送りして高校側にいろいろ押し付けていくから、高校でいろいろな問題がおこる可能性が高いのです。あまりレベルの高くない学校では、当然「わからない生徒」が増えていき、「中学ではなにをやってたんだ」ということになるでしょう。またある程度のレベルの子達を集めても、高校3年で過去の4年分くらいの履修を行う必要があり、だから現役予備校なのか、とハタとひざを打ってしまいました。2007年は大学全入の年ですが、すでにその差はついてしまっているのです。