10年前の偏差値表と比べてみると、ずいぶん受験地図は変わってきました。
上位に上がってきた学校を振り返ってみると、やはりいろいろな努力があった、と思えます。その努力は大きく、3つに分けられる。
1つは子どもたちの学力を上げようとする努力。受験校であれば、もちろん大学受験の実績を上げる、ということに直結するわけですが、付属校であってもやはり子どもたちの成績が上がらないと、推薦枠が取れない。系列の大学に全入できるかどうか、というのは子どもたちの成績がどうであるか、にかかっている部分があります。
数年にわたって、付属校から上がってくる学生の成績が悪い、ということになるとやはり大学としては付属校の生徒の学力をどう上げるか、ということを学校に問うことになりますから、付属校とてウカウカはしていられないのです。
2つめは子どものいろいろな可能性を伸ばす努力。子どもの可能性を伸ばすという意味において学力だけではなく、スポーツも、芸術も、文化も、いろいろな分野で子どもたちが活躍できる場を用意する必要があります。
別に甲子園やインターハイに行ければいいという問題ではないが、しかし、施設にしろ、指導者にしろ、ある分野で活躍できるようにしようという努力は必要です。
例えば理科実験室というのも非常に大事な施設だと思うのです。化学の勉強をするにあたって、もちろん、教科書や参考書で勉強はできます。
しかし、実際にいろいろな実験をやらせてみることで、子どもたちの興味はもっと広がるし、「科学者になりたい」という気持ちもそういうところから生まれてくるでしょう。あるいは何人かのグループでいろいろな制作物をつくらせてみるという学校もあります。ヨットがあったり、ゴーカートがあったり、あるいはソフトウェアがあったり。展覧会をするのも、発表の場を設けることで、子どもたちがいろいろなことを考える機会を作るわけです。
3つめは学校の知名度を上げる努力。これは派手な宣伝をする、ということではありません。宣伝をしたところで、中身がともなっていかないといけないが、それでもオープンキャンパスや説明会、文化祭などの公開行事などをして、今、学校が何に取り組んでいるか、どんなクラブがどういう活動をしているか、ということを保護者や受験生に知ってもらう。
単に塾に営業に来ればいいということではなく、やはり中身を伝えようという努力が必要になります。学校見学会の時間を工夫するなど、いろいろなアイデアが実行されます。最近は塾の模擬試験の会場を提供する学校もありますが、これも大事な広報活動。学校に来てもらう、ということは学校を知ってもらうきっかけになるわけですから、こういうことが少しずつ積み重なって学校の知名度は変わってくるでしょう。
以前は甲子園に行けば、知名度は上がる、というので一生懸命野球部を強くしようとする学校が増えた時期がありました。今、甲子園の常連組に私立学校が多いのはこのためですが、しかし、本当は野球だけでなく、いろいろな部活動を応援するのは学校の役割でしょう。
結果として、その成果が出てきた学校に人気が出てくる、だから難しくなるのです。
逆に志望校を選ぶにあたって、こういう内容を良く吟味していくと、子どもの可能性を伸ばせる学校が見つかってくるでしょう。
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