入試問題

今年の入試問題は受験者数が多かったために、難しくなってきたようです。これまでの学校のレベルに比べて高くなった、つまり傾向はそう大きく変わらないが、出す問題が難しい、計算問題が面倒だったり、知識が細かかったり。

難しくするには理由があって、やさしい問題だと差がつかないからです。みんなできてしまう、それだと誰がよりできるかということがわからない、だからレベルを上げた学校が増えたのでしょう。

実際に、今の入試問題は、かつてに比べると大分変わってきました。これは以前に指摘したことですが、社会は歴史、地理といったカテゴリーから現代社会についての知識や関心を求める問題が増えました。環境問題や温暖化、少子高齢化、今の日本や世界が直面する問題を出しています。

しかし、12歳の子どもたちに出題する問題として適当なのか?といえばそうではない。そういう問題があるという知識の整理だけで答えている子が多いのではないかと思います。

うがった見方をすると、大学受験の準備としてある程度まで知識を持っている子をとるんだという視点が見え隠れします。

もっと12歳の考える力、表現する力を根源的に試すような問題を本来なら出題してほしいと思うのです。覚えることばかりではなく。

私が出題者だったらこんな問題を出したいと思います。

「あなたの関心のある都道府県を1つあげ、その都道府県についてどういうことに関心があるのか、またそれはどうやれば調べられるかについて自分の考えを書きなさい。」

「岩手山 秋はふもとの三方の野に満つる虫を何と聴くらむ」
この短歌が歌う情景を1200字以上1600字以内で、物語の形で表しなさい。

採点は大変でしょうが、物語さえ読めばこの子の国語力はすぐわかるだろうなあと思いますが、きっと出ないだろうなあ。

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