第56回 怒られて育つと

■ 怒られて育つ、というのはあまり気分の良いものではありません。何につけても何か言われる。気の強い子であれば、言い返すが、そうでなければびくびくしてしまう。積極性がなくなってしまったり、おどおどした態度になってしまう。

■ こんな気持ちに自分の子どもをさせてはならない、と思うから、そういう経験をした方はどちらかというと、子どもを怒るということをあまりしない。むしろ、ほめて育てる、ということを徹底するようになります。

■ 一方、ほめられて育つ方は、それが良いと感じられているなら、その通り続けるでしょう。しかし、一方で子どもが言うことを聞かないと、自分が怒られた経験がない分、思い切り怒ってしまうことが多々あるようです。

■ 怒る言葉というのは、自分の耳から入ってきてさらにエスカレートするので、それが口癖になりやすい。何かにつけてつい、声が大きくなってしまう。そういう環境で育った子どもは、自分を守ろうとするから耳をふさぎます。したがって注意は届かないことになる。それが、また怒る環境をエスカレートさせます。

■ 怒ると叱るは違います。注意することは当然あるわけですが、それが相手に届かなければ叱ったことにはならない。一方怒ると、子どもは怖いから小さくはなるが、怖いということが先に立つので言葉は届いていないのです。

■ これから受験まで子どもたちはいろいろなプレッシャーと闘います。ともすれば「うまくいかないかも」と不安になることが多い。その分、応援してあげるためにはむしろ「ほめていく」ことを大事にすることです。そのためにお父さん、お母さんが明るく前向きであることが必要です。

■ まずは入試で自分の力を出し切るために、お父さん、お母さん自身が明るく、元気で前向きな態度を子どもたちに見せてあげてください。子は親の鏡ですから。

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