第31回 なぜ誉めるのが良いのか

■仕事柄、6年生のお父さん、お母さんと御目にかかることが多いのですが、最近あることに気がつきました。合格した子どもたちの保護者の方は、明るい方が多いのではないかということです。性格的な問題というわけではありません。むしろ子どものことに関してプラスイメージをもっているかどうか、ということなのです。

■「落ちるのではないか」「成績が上がらないのではないか」という心配は当然誰にもあります。こういう感情を持つことがいけないのではありません。どなたも子どものやっていることを見ていれば、そう感じることはあるでしょう。しかし、そこから何らかの手を打って、最後には「これで大丈夫」とか「これで良くなるだろう」というプラスのイメージに変えられているかということなのです。

■逆に考えれば、そこで何とかできると思うから、プラスに切り替えることができるわけです。ではその元にある感情は何でしょうか?それは、うちの子にはいいところがあるという認識だと思うのです。「やれるかもしれない」「この前もできたし」そうそう、そういう認識があるから、親も「よし」という気持ちになることができるのではないでしょうか。

■ということは、「うちの子にはこんないいところがある」という認識を持てれば、子どもたちを成功に導くことができるということになります。子どものよいところを見つけて、その良いところを子ども自身に知らせるには、惜しみなくほめてあげることが一番です。

■ところが、6年生もこの時期になると、いろいろ成績が出てくるので、心配がたくさん出てきます。悪いことを考えれば、いくらでも考えられるのではないでしょうか。だからこそ、ここ一番、お子さんの良いところをどんどん、誉めてほしいのです。

■誉めると子どもは積極的になります。これもできるかもしれない、もう少しがんばれば、わかるかもしれない、そういう気持ちになれば、勉強は楽しくなります。この時期、絶対に合格してやるぞという気持ちが大事、さらには試験が楽しみになってくれれば怖いものはありません。

■そのための原動力は、お父さん、お母さんの一言です。私は、この時期の6年生には、きびしいことを1つ言おうと思ったら、誉める言葉を2つは最低考えてから言っていました。2つ出ないときは、言わないくらいの気持ちで子どもたちに接すれば、子どもたちの自信はしっかり培われると思います。

(平成16年11月9日)

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