【エルフィー】では残り6ヶ月の戦略を立てます。大きくはまず10月までの前期とそれ以降の後期に分けます。後期では2つの目標をたてます。1つは知識。ただし、すべての知識をここで覚えるのは無理なので、すべての出題の範囲から30%を選んで覚えてもらいます。実はこの30%が出題の7割を占めるのです。逆に考えれば30%を覚えれば70点はとれるということになります。これは別にうちの専売特許ではなく、どの塾もこの事実を把握しているので、暗記用のテキストや問題集、あるいはプリントを用意しているはずです。ただこれらのテキストはサブノート形式になっていることが多く、意外に覚えにくい面があります。【エルフィー】では夏休みに一問一答形式のプリントを子どもたちに渡して覚えてもらおうと思っていますが、いずれにしても知識の力を作るということがひとつの目標になります。もうひとつが得点力。この段階の子どもたちはずいぶんミスをしていると思います。子どもはお母様にそれこそ耳にたこができるくらいに注意されていると思いますが、多分あまり効果はないでしょう。なぜなら、まだピンときていないからです。これが後半になればクラスの友達が○○中学を受けるなどという情報が入ってきて「これは落ちるわけにはいかない」という気になりますから、こちらが注意することがそれこそ砂が水にしみこんでいくように聞き入れてくれます。実際ミスには原因があるので、その原因を取り除く具体的な方法を実行してもらえばミスは減るのです。
で、前期は逆に考える力、書く力、理論的な理解を培う学習に集中します。例えば記述の問題は半年練習すればどんな子どもたちでも書けるようになります。子どもたちは日本語をしゃべることが出来るのですから、それを文字にする練習をつめばいいだけです。多くの子どもたちは面倒だから記述を書かないだけです。これを書かないと合格しないといわれれば、それなりに練習もするし、書けるようにもなるのです。
また算数に関しては出題傾向によって戦略が変わります。例えば志望校が基本問題や一行問題から応用問題まで幅広く出題する学校であるならば、あまり難しい問題に手をつけるよりも前半の一行問題や基本問題を確実に得点する訓練をしていきます。例えばある女子校の問題は基本問題が14題、残り6題(大問で2題)が応用問題でした。ところが5点×14題=70点ですから、前半の問題が満点であれば応用問題がまったく出来なくても合格できるのです。
一方難問だけ4題出題する学校では基本問題の反復練習に時間をさく必要はありません。むしろ応用問題をじっくり考える中で基本もあわせて学習するスタイルの勉強が効率的になるのです。
したがって夏休みの学習はまず戦略を立てるということが必要なのです。そのためには第一志望が決まっていることが効率的なのです。
多くの塾の場合、9月~10月の模擬試験のデータから志望校を決める場合が多いでしょう。それではそのためにすべての範囲を復習しなければなりません。果たしてそれは本当に必要な負担なのか?私は疑問を持っているのです。その結果として夜型の生活をして、生活のリズムを崩しているのであれば子どもたちの力はなかなかつかないでしょう。
こればかりはやはり親がしっかりと考えていかなければならない問題なのです。どういう戦略と計画を立てるか、40日間の夏休みを上手に使うか、塾任せにするか、その差は実は秋に大きな差になってくる可能性があります。次回はもう少し具体的に夏の学習計画の立て方をご説明します。