第22回 新塾

■来年2月から始める新塾の内容がようやく固まりました。荻窪にある小さな塾なので、当然たくさんの教室を作ることはできません。そこでもう一度塾というのは何をすべきところなのか、考えてみたのです。

■私はこれまでも、中学受験はまず家庭が主権を持つべきだと思っています。中学受験は小学生の受験です。当然、まだ経験がありませんし、何をどう進めていいか自分で判断できないことがたくさんあります。さらに、学校選びや学習方法の選択など、保護者が関わっていかなければならないのです。だから、しっかり家庭が中学受験をどう進めるか、考えて行かなければなりません。

■したがって中学受験塾の大事な役割のひとつは、保護者のみなさんの相談相手になるということではないかと思うのです。その上で家庭でできることは、なるべく家庭で進めていく。でもなかなか家庭でできない部分があります。そこは塾を利用していただければいいのではないでしょうか。そうすると家庭では、どういう手順で学習が進んでいくのが事前にわからなければなりません。すなわちカリキュラムが公開されていなければならないのです。現在、いろいろな進学塾がありますが、外部の人が簡単にカリキュラムや教材を手にすることができるのは四谷大塚だけです。

■私も中学受験をしたとき、四谷でした。だから言うわけではないのですが、予習シリーズと週例テストは自分で勉強して、成果を確認し、また勉強するということを前提に組み立てられています。ですから家庭だけで受験を進めることも事実上可能なのです。ただ長期休みにはカリキュラムがありませんから、その復習をしたり6年生なら学校別の勉強をしなければならないでしょう。そのとき、塾を利用してもらえればいいのではないでしょうか。

■そこで新塾は、すべて単科にして必要な科目をとってもらうことにしました。カリキュラムは四谷大塚、完全準拠。塾内で週例テストも受けられます。さらに母親講座を設定しました。来年は6年生の保護者のみなさまを対象にしますが、お子さんが塾生でなくても通っていただけます。算数と理科のポイントをお話しする教室ですから、お母さんがお子さんを教えていらっしゃる場合は参考にしていただければよいと思います。

■最近は塾で何でもやる方が多くなっています。家庭で子どもの数が少なくなった分、親子関係が1対1になりやすくなりました。だからお母さんが「勉強しなさい」と言わなければならないのですが、毎日、毎日そういう状況では大変だというので塾にお預けになるのかもしれません。でも、それで本当に解決になっているのかといえば、そうでない場合もあるのです。むしろ家庭がしっかり子どもの面倒を見ならが受験を進めていかれると、きっと楽しい経験になるのではないでしょうか。

(平成16年12月15日)

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