僅差の勝負をどう制すか(3)

問題になるのは、家庭が持つ強制力です。

計算問題はつまらない、だからやりたがらない。これは当たり前の話です。しかし、いやなことでもやらせないと力はつかない、子どものためにはそれをやらせる強制力が家庭に備わっていなければならないのです。

昔はともすれば封建的な流れがありましたから、お父さんが言えばそれで済んだかもしれません。しかし、核家族化が進み、子どもの数が減って、子供たちは非常に大切に育てられてきています。だから、「やりたくないことはやらない」という子が増えているのです。

受験勉強のスタートも親の主導で始まった家庭が少なくないでしょう。したがって、子供たちの中には「やらされている」という感覚が少なくない。本当に受験しなきゃとか、がんばらなきゃと思うのは、受験直前期の話です。しかし、そこから基礎をやったのでは間に合わない。つまり、早くからあまりおもしろくないことでもやらせる力を家庭が持っている必要があるのです。

しかし、今のお母さんは「良いお母さん」「やさしいお母さん」でいたいと思っている方が少なくありません。しかし子どもがひとりであることが多いので、子どもと対峙することになりかねない。だからつい、そこでいい加減になってしまう場合があるのです。

強制力というと、しかってでも何とかしようというように聞こえますが、要は結果です。ちゃんと基礎的な反復練習ができていればいいのです。

そこでいくつかのアイデアがでててきます。

(1)パズルで計算力を鍛える

最近はパズル問題がたくさん出ています。知らず知らずのうちに計算力や考える力がついてくるという意味ではなかなか良い教材でしょう。

(2)なぜ必要なのかを説明する

こちらの方がオーソドックスなやり方でしょう。計算問題はなぜやるのか、ここがわかっていないと「苦しいだけ」の勉強になっています。これは子どもたちと話をしていてよく感じることですが、今やっていることが何のためなのかあまりわかっていないことが多い。これだとなかなか進んでやろうということにはならないでしょう。だから具体的に子供たちにわかるように説明する必要があるのです。

(3)ゲーム化する

私はこれをよくお勧めします。毎日やる計算問題は3題ぐらいにしぼります。その代わり間違えてはいけないという条件をつけます。5日連続で満点ならアイスクリーム、10日連続で満点ならマンガ、など、ごほうびを考えてあげると子供たちのモチベーションにつながるでしょう。

子どもがやらなければいけないことを確実に実行して、結果を出すことが必要です。どうせやるなら楽しい方が良いので、上手に工夫して学習習慣に組み込んでいってください。

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