第29回 効率化のカギ

■ この時期は、カリキュラムを理解することに追われやすい時期です。

■ 毎週、毎週いろいろなカリキュラムが出てきて、とにかくそれをマスターすることにとらわれてしまう。問題をこなすことに忙殺され、覚えることに四苦八苦する、ということになってしまう可能性があるでしょう。

■ しかし、本当に全部やらなければいけないのか。

■ 大手の受験塾の先生たちと話をしてみると、「どこを受けても大丈夫なように鍛える」という返事が返ってきます。まあ、そういう考え方はあるでしょう。できる子ならば。しかし、それがすべての子にあてはまるわけではありません。そして、私にはやはり無駄な勉強に思えてしまう。

■ 中学受験は、独自入試です。すべての学校が自分たちの入試問題を作る。だから、そこにとりたい生徒像があり、必要だと思われる資質があるから、問題が学校ごとに違います。これが学校別傾向です。レポートの多い学校は記述を出したいと思うだろうし、バランスの良い子がほしいと思う学校は、多くのテーマから少しずつ問題を出す。だから「どこを受けても大丈夫」というのにば「莫大なエネルギー」が必要になると思うのです。

■ 私は「基礎を固めて、応用の枝葉は学校別傾向で伸ばす」という勉強法を推奨しています。受験勉強は「合格するために」やるのだから、「出るものをやる」のが一番です。

■ だからお父さん、お母さんが志望校の傾向を知って、「あ、ここはまあ、できなくてもいいや」とか「ここはもう少しがんばらないといけないかな」という判断をしてあげることが大事なのです。そうすれば必然、優先順位が生まれてきて、取捨選択ができる。

■ 捨てるものがあることは、効率を上げることになるのです。この時期、カリキュラムに追われることが多いのだから、一方でそういう見方をしておくことも大事ではないでしょうか。

■ 土台、中学受験の範囲は広いのです。普通の学校のカリキュラムで言えば中2ぐらいまではあるので、それをこなすのは大変。だからこそ、効率化することは大事だと私は思うのです。

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