第27回 長い目も必要

■お子さんをごらんになるのに、長い目も必要です。お父さんとお母さんの役割ていえば、子どもを見る目が長期的か、短期的かという点も大事な要点のひとつです。お母さんは子どもとの距離が近い場合が多く、毎日の行動に目が行き届きます。

■したがって子どもを見る目が短期的になりやすいもの。勉強について言えば早く結果を求める傾向にあります。しかし、繰り返しお話している通り、子どもは子どものペースで成長していきます。親が思うとおり、伸びはしないのです。

■「こんなに勉強させているのに、どうして結果がでないのだろう」とか「勉強しなさいと言い続けるのにだんだん、疲れてきた」とかそんなお話を聞くのはお母さんの方が圧倒的に多くなります。一方、お父さんは「そんなに勉強しなくてもいいだろう」「俺が子どものときは、そんなにやらなかった。でも大学には入ったから」とかそんな発言でお母さんの激昂を誘うようです。

■当然のことながら、両方の見方が必要です。日ごろから、きちんと勉強させるくせをつけることは大事なことですし、一方で結果をあせることなく、子どもが伸びるときにしっかり伸ばすというタイミングを図る目も大事なポイントではないでしょうか。だから、お父さん、お母さんにはそれぞれの役割があって、お互いいろいろな話をして、子どもの良いところを引き出していく必要があるのです。

■最近の中学入試はまた過熱気味で、その倍率などを考えるとお父さんもつい、短期的な視野に立ちがちですが、しかしここはぐっとこらえて、長い目で子どもたちを見てあげてください。そして何より大事なことは、短期的に見ているお母さんを上手に抑えてあげることだと思います。そのために一番良い方法はやはり、夫婦がよく話し合うということではないでしょうか?

(田中 貴)

(2005年10月24日)

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