第35回 優先順位

ここのところ、6年生の学習の優先順位のご相談が多くなりました。

実際にやるべきことはたくさんあり、いったいどれから手をつけていいのか、よくわからないというのは実際のところではないかと思うのです。

で、ひとつの考え方をお話したいと思います。

まず模擬試験等で算数の偏差値が50に到達していない場合は、まず算数の偏差値を50に持っていくことです。他の教科は犠牲にしても、とにかく算数。
え?と思われるかもしれません。しかし、これが一番効率がいいのです。なぜでしょうか?

実はどの学校でも合格者平均と不合格者平均で一番差があるのが算数なのです。だから算数が悪いということは他の受験生に差をつけられやすい。中学受験はやはり算数ができないと、なかなか合格しません。

偏差値50に行かないということは、平均に達しないのだから、差をつけられるほうに回っています。これでは勝負としては苦しい。だからまずは算数の偏差値を上げるということが重要になるのです。

で、どうあげればいいか。

実際に難しい問題よりも、ミスで落とす問題をいかに少なくするかが鍵です。計算問題や一行問題、簡単な問題で間違えれば他の受験生ができている分、これもまた差をつけられる可能性が高いのです。難しい問題はできる受験生が少ないから、差をつけられる可能性も低くなりますが、簡単な問題ではそうはいきません。

ここからは得点力の問題になります。算数が好きでも、考えることを苦にしなくても、得点が少なければ勝負としては負け。だから、まずはその練習をすることが鍵です。

そしてここが重要ですが、そうやって算数を一点突破することで、自信ができます。「がんばれば、できるようになる」という実績ができたわけだから、これほど強いものはない。男の子が何の実績も出さないのに「おれは合格する」といっているのはプレッシャーの裏返しに過ぎず、こういうのは実績がない分、本番ではもろいのです。

今からでも遅くはありません。

ぜひ算数の得点力をつけてください。これがあれば、一歩有利な勝負に持ち込むことができるのですから。

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