最近の塾では4教科の先生がばらばらというところが増えてきました。少なくとも文系、理系で分けているところも多いようですが、小学生に各科の先生がかかわるというのは、本来はまだ難しいといわなければなりません。
小学校では担任の先生がなるべく多くの教科を見る、中学校では各科の先生にかわります。これは学習の優先順位や状況の把握を小学生の側ではなかなかしにくいので、なるべく情報の一元化を図る方がいいからです。中学生になれば、科目的な専門性がでてくるので、どうしても科目別の先生に分かれるのですが、中学受験では専門性は中学生程度ありますが、しかし勉強するのは小学生(しかも最近の小学生の精神年齢はさらに幼いので)ですから、受験指導という点では1人の担任指導の方が結果が出ると私は思います。
というのも4教科の先生がばらばらだと、各科の内容を先生が子どもに伝える。そのときの優先順位が決まらない。結局、子どもは全部やらないといけないので、「がんばるしか」ないのです。
私の教室は、やはり文系科目を同僚に任せていますが、一方で週1回、私自身が4教科をみる時間を作っています。どういう状況にあるのか確認するためにやるのですが、そうすると何が問題点なのか絞りきれるので、家庭での勉強などの指針を切り替えることができるのです。
ただ、4教科をみる先生は圧倒的に少なくなりました。これは先生に負担がかかるので、当たり前ですけどたくさんの教室を持つ塾には向きません。ただ、そういうスタイルで子どもたちの面倒を見て成果をあげている塾が地域にはあります。
中学受験は中2までの先取り学習が本質ですから、学習は合理的に進めるべきなのです。
全部やるというと、物理的な時間が不足するのは当たり前のことなので、そこをいかにシンプルにするか、大人が工夫しなければなりません。
学校別対策も学習の効率化には役立ちます。
「全部やる」ということが当たり前になっていると中学受験準備としては遠回りをしてしまうことになるので、要注意です。