記述対策(1)

学校別対策にはいくつか、ポイントがありますが、まず最初に手を付けなければいけないのが記述対策です。

記述対策は国語の問題と思われているかもしれませんが、実は理科や社会にも記述の問題があります。そして対策として難しいのはむしろこちらの方かもしれません。

ただ、先にやるべきはやはり国語でしょう。というのは、まず文章を書く、ということから練習を始めなければいけないので、それには国語の方がやりやすいのです。

記述というのは、自分のことばで説明する問題のことです。本文中のことばを抜き出したり、本文中のことばを使って書くのと違い、自分の考えを文章にする必要があります。したがって子どもたちは書きなれていない場合、あまりこの形式の問題をやりたがりません。

答えを選択したり、本文中のことばを抜き出したりする問題はまだとっつきやすいのですが、記述の問題はまず「面倒だ」という意識が先に立つので、抜かしがちになるのです。

本当は記述の問題の方が部分点の得点が望めるので、選択式や書き抜きの問題に比べると失点しにくい部分があるのですが、最初はなかなか手をつけてくれません。

「どうしてやらなかったの?」

と聞くと。

「わからなかった」

という答えがかえってきますが、本当はそうではありません。面倒なのです。だから、最初のうちはその面倒だ、という気持ちを取り除く必要があります。

なぜ面倒かといえば、何を書かないといけないか考えるのと、どう書くかを考えるのと両方やらなければいけないからです。

なので、後半のどう書くかということの負担を減らしていけばいいのです。答えは何か、を書くのは選択の問題でも考えなければなりませんが、アと答えるか、文章で答えるかでは負担が違います。だから、その負担感を減らしていけばいいのです。

そのためには、「上手に書く」と思うことを放棄することです。思ったことを文字にする。

つまり自分の答えがこうだ、と思ったとき、それはそのまま文字にさせる、ということになります。

太郎君が悲しいと思った、のなら、その通り「太郎君は悲しかった。」と書けばいいのです。で、その後にどうして悲しいと思ったのかを加えればいい。

「太郎君は、悲しかった。山田君がいなくなったからだ。」

これでひとつの答えが完成します。問題によって、そう簡単にいかないこともありますが。いずれにしても文章を書いてくれないと、その中身を修正することはできません。

したがって、まず文章にしてもらうことが大事なのです。

ですから、最初のうちは字数の制限というものを考えません。50字以内で、とか200字以上で、とか問題にはいろいろ条件がつきますが、最初は無視。

字数の制限も書けるようにならないと調整できないのです。だから、とにかく書いてもらう。そしてまずは書いたら○にします。

子どもも書けば○ということなると、そう負担感がなく文章を書き始めます。まずはこの段階にいくまでが大変な子どももいるので、志望校に記述の問題が出題されているとわかったら、早速対策を始めてください。

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