第12回 自立させるにはいろいろなことをやらせる

    自分で勉強するようになってほしいと思われているお母さんは多いでしょう。
    しかし、自分で勉強することはなかなかむずかしいことのひとつなのです。我慢がいるし。だから自分で勉強させるには、生活の自立がまず必要になります。自分でいろいろなことができるように仕向けていく。
    例えば、部屋の掃除、洗濯物の片付け。明日の学校の準備。
    自分でできることは、してあげなくて良いことなのです。これを勘違いしている方が圧倒的に多い。だから子どもがなかなか自立しない。自分でいろいろなことができない、ということになるのです。
    簡単なことは親がやってあげて、一番大変な「自分で勉強する」ことを要求している。これは順序が逆だと考えてください。だから、今、やってあげていることをどんどん減らすべきです。
    「そんなことをしたら、勉強時間がなくなる」と思われるかもしれませんね。しかし、実際に自分が「やらなければいけない勉強」だと自覚していなければ、時間をかけてもあまり効果がないのです。逆に時間が少なくなっても、これはやらなければいけないんだ、と自覚すればいろいろ工夫します。工夫すれば、またできるようになる。
    反抗期だと、「なんで、やんなきゃいけないのよ」と言い出すかもしれませんね。でも、それはお母さんが忙しい時間をやりくりしてやってあげているだけの話でしょう。本来は自分がやらなければいけないことなのです。このあたりの意識のずれを少しずつ修正する必要があります。そうでないと、相変わらず「やらされている勉強」に終始してしまいますよ。

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