2011年 白百合の問題です。
重さ90g、体積100cm3の氷をコップに入れ、こぼれる直前まで水を入れたところ、氷は静止して水に浮きました(図4)。
氷が静止しているということは、氷の重さに等しい浮力が働いているということです。液体の水1cm3の重さは1gとします。
問5 1cm3の氷の重さは何gですか。
問6 氷が水中に沈んでいる部分の体積は何cm3ですか。
問7 氷90gがとけて水になると、その体積は何cm3になりますか。
問8 氷がとけたとき、どのような状態になりますか。次の(ア)~(ウ)から1つ選び、記号で答えなさい。また、その理由を説明しなさい。図を用いて説明してもかまいません。
(ア)コップの水があふれる。
(イ)コップの水面が下がる。
(ウ)コップの水はあふれもしないし、水面が下がりもしない。
浮力の範囲は、なかなかマスターできない、という子が多い分野です。しかし、これもまあ、練習の積み重ねです。
問5 これは、すぐ答えが出るでしょう。90÷100=0.9g/cm3 ですね。
問6 つまり水90g分だけ水に沈みます。水の比重は1ですから90÷1=90㎝3 です。
問7 氷がとけると水になりますが、重さは90gでかわりません。したがってその体積は90㎝3です。
問8 答えはウになります。氷が水面下にある体積は90㎝3で、この部分にむけて水が溶けていけば水の体積は90㎝3ですから、水があふれることもないわけです。
温暖化で氷山が溶けても、海水面は上がらない、という話はこれと同じです。
この氷は重さが90gですから、地球の重心に向かって90gで落ちていこうとします。一方、この氷が静止しているのは、それを打ち消す力がかかっているからで、これが浮力です。
この氷は90gですから、90㎝3分の水を押しのけている(水面下の体積と同じ)ので、90gの浮力がかかります。だから静止するわけです。
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